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バフェットの次を行く投資術 サウジのBRICS加盟で揺れる「ドル」 米国が敵視する「中国」や「ロシア」が中心軸、11カ国体制

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月4日 11時0分

BRICSが設立されたのは2009年、リーマン・ショックの翌年である。リーマン・ショックは日米を含む先進国に大きな打撃を与えたが、それ以上の被害を受けたといえるのが、いわゆる「南」の国々である。

01年に世界貿易機関(WTO)に加盟したばかりで、世界経済とのつながりが薄かった中国は比較的ダメージが少なかった。しかし、米国を中心とした欧米が支配し、ドルを基軸とする世界経済体制の脆弱(ぜいじゃく)性に対して他の「南」の国々と同様疑問を呈した。

当初はブラジル、ロシア、中国、インドの4カ国体制であったが、11年に南アフリカが参加し5カ国になった。そして「ドル以外の基軸通貨」を模索するため、14年には『新開発銀行(NDB)』が設立された。「世界銀行」に代わる「南」のための銀行を目指している。

また、22年6月、ロシアのプーチン大統領が、BRICS加盟国の通貨バスケットに基づく新たな準備通貨を開発すると発表した。このロシアの動きは22年2月24日に始まったウクライナ侵攻に対する経済制裁に関係していることは間違いがないだろう。しかし、(目先の)単なる制裁逃れの行為だと考えると判断を誤る。

すでに述べたように、08年のリーマン・ショック以来「ドル中心の世界経済体制」に大きな疑問が投げかけられ、ドル以外の通貨による国際決済が模索されてきたという大きな流れがあるのだ。

そして、この流れの中で注目すべきは、24年1月1日から11カ国体制となった「拡大BRICS」にサウジアラビアが含まれていることだ。

1971年のニクソン・ショックにおける「金・ドル交換停止」はドルの威信・信頼性に大きな傷をつけた。本来であればこの時期にドルが「紙くず」になっていてもおかしくはなかったのだ。

しかし、原油取引の標準(決済)通貨としての地位を維持することによって命脈を保った。その「標準決済通貨としてのドル」の地位に大きく貢献したサウジアラビアが、米国が敵視する「中国」や「ロシア」が中心軸であるBRICSに加盟したのである。 (人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略

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