安倍元首相三回忌に誓う高市早苗氏の〝大仕事〟SC制度法制化で「日本企業のビジネスチャンス広がる」単独インタビュー
zakzak by夕刊フジ / 2024年6月11日 15時30分
「安倍晋三元首相の宿題」といわれたセキュリティ・クリアランス(SC)制度の法制化を今国会で実現した高市早苗経済安全保障担当相が、夕刊フジの単独インタビューに応じた。日本周辺の安全保障環境が厳しさを増すなか、国内情勢も「政治とカネ」の問題などで混沌(こんとん)としている。外交・内政の諸課題で毅然(きぜん)とした姿勢を示す高市氏は、大阪や福岡、広島、高知などで開催している講演会が注目されるなど〝保守層〟を中心に支持を集めている。安倍氏の三回忌(7月8日)を前に、日本の未来に何を見据えるのか。難局に対峙(たいじ)する覚悟と、「次なる大仕事」への決意を熱く語った。 (報道部・中村昌史)
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「わが国を守り、国力を強くするため不可欠な制度だ。特に経済力・技術力・情報力の強化に資する法律だと確信していたので、成立に向けて全力を傾注したが、一息つくいとまはない。まだまだ『大仕事』がいくつもあります」
高市氏は笑顔を浮かべつつ、言葉に力を込めた。
今国会で、経済安保上の秘密情報の取り扱いを官民の有資格者に限るSC制度の根拠となる「重要経済安保情報保護活用法」が成立した。
同盟国・友好国でも、共有した情報の厳格な取り扱いを求めるのは国際基準だ。経済・技術分野のSC制度は官民の国際ビジネス、先端技術の共同開発に参入するため不可欠だが日本はG7(先進7カ国)で唯一、未導入だった。
「SC制度はさまざまな分野に波及する。例えばサイバー攻撃だ。重要インフラに危害が加えられる予兆をキャッチした場合や、脆弱(ぜいじゃく)性が判明した場合、その情報はまさに『機微』だ。複数省庁と民間事業者で共有した上で、対策を講ずる必要も生じるだろう。こちらの『手の内』が筒抜けだと、それを逆手にとった攻撃がなされる可能性がある。重要情報を保全して対応するには、官民共通で信頼性確認を前提とした情報取扱者の制限が必要不可欠なツールになる」
特定秘密保護法 安倍氏の宿題「万感の思い」
SCの意義は、安全保障の強化にとどまらないようだ。
「すでに経済・技術分野でも情報保全制度が定着している同盟国・友好国との間で、革新的技術の国際共同研究をするときに民間事業者が参加できる。互いに母国のSCを保有していることを『信頼の証し』と考える外国企業との取引が円滑になるなど、日本企業のビジネスチャンスが広がることも期待している」
2013年、安倍晋三元首相が成立させた特定秘密保護法は外交、防衛、テロ防止、スパイ防止の4分野に機密情報を限定した。SCで経済安保の対象も加わる。「安倍氏の宿題」といわれた由縁だ。
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