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花田紀凱 天下の暴論プラス 村西とおる監督の行動力とエネルギーに脱帽! 自身で出版社を見つけ編集『ありがとう、松ちゃん 松本人志問題をぶった斬る!』

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月15日 11時0分

改めて村西とおる監督の行動力とエネルギーには感嘆した。

2カ月ほど前のことだ。

村西監督から相談があった。

「『週刊文春』の松本人志批判キャンペーンは度が過ぎています。ひど過ぎる。あのネタは昨年、成人漫画誌でも書かれていたし、だいたい飲み会は8年も前のこと。しかも、今回、告発したA子は当時、『本当に素敵』『感謝します』などとLINEしてたんですよ。

あまりにひどいので、ネットで松ちゃんへの応援メッセージを募集したら、すぐに800通も集まった。これが実にいいんですよ。編集長! 本にできませんかね。いや、本にしてください!」

2、3週ならともかく、『週刊文春』が同じネタで3週も4週も(結局12週)やるのは、ちょっとやり過ぎではと、ぼくも思っていた。

で、早速、読んでみると、たしかに感動的なものもあった。

一例。

小田満さん(48歳、香川県在住)のメッセージ(要約)。

<物心ついた時、両親は別居していた。週に一度、日曜に父親が来て一緒にご飯を食べた。後ろめたい気持ちがあるのか、必ずちょっといい肉だの蟹だのを買ってきてたし、わたしがヒーロー番組の戦隊ロボや玩具を欲しがれば必ず買ってきてくれた。1週間後に。

そんな生活が何年も続き、自分もいろいろなことが理解できるような年齢になった頃、食事をしているときの会話はあまりなくなっていった。父親のことが嫌いになったのだ。>

その日も鍋を囲んだが、交わす言葉は少なかった。テレビで「ダウンタウンのごっつええ感じ」が流れている。

<ふとその時、ひとつのコントを見て、父親が吹き出して笑った。高らかな笑い声だった。

父の笑顔を見たのは久しぶりだったと思う。

その姿を見て、自分も可笑しくなって笑った。

見れば母親も大笑いだった。

それから何年かはそんな生活が続き、父との食事の際には必ず「ごっつええ感じ」が流れていた。そして家族の笑いは少し増えていった>

高校を卒業し、家を出て、両親と食事することは無くなる。

<成人した年、母親から離婚したと連絡があった。あの日々を思い出し少しだけ泣いた。

以上がわたしのダウンタウンの思い出。大切な思い出。特に松本さんには感謝している。

あの日、最初に父の笑い声を聞かせてくれたのは、松本さんのボケだったからだ。

父は他界し、もういない。>

メッセージを並べるだけでは弱いし、かつて『週刊文春』の編集長をつとめていたぼくの立場もあり、結局、本にすることは断った。

村西監督がすごいのはそれからである。

なんと自身で出版社を見つけ、編集したのだ。

徳永信一弁護士の「松本人志が訴えた名誉毀損訴訟の意義とは。裁判はどうなるのか?」

仲正昌樹さん(哲学者)の「著名人を引きずり下ろす快感。それに酔いしれる人たちと『先走る世論』」

窪田順生さん(ノンフィクション作家)の「『松本氏性加害疑惑』は『ロス疑惑』と同じ道を辿るのか?」

などの論稿を集め、メッセージとともに立派な本を編集したのだ。

『ありがとう、松ちゃん 松本人志問題をぶった斬る!』(KKベストセラーズ)

週刊誌というメディアの在り方を考えさせる1冊だ。

村西監督に脱帽!

(月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

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