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列島エイリアンズ ベトナム系大麻工場編(1)ハンパじゃない!その栽培規模 末端価格5億円相当も「種子の調達は容易」在日男性が明かす背景

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月24日 11時0分

大麻草が栽培されていた茨城県古河市内の倉庫の内部(埼玉県警提供)(夕刊フジ)

茨城県古河市で大麻草を販売目的で栽培していたとして、埼玉、神奈川、茨城各県警の合同捜査本部は17日、ベトナム国籍の容疑者6人を大麻取締法違反(営利目的共同栽培)の疑いで再逮捕した。

ハンパじゃないのはその栽培規模だ。主犯格の男は2年前から同市内で借りた広さ450平方メートルの倉庫に、栽培用の照明や送風設備を設置し、「大麻工場」として利用していた。さらに容疑者らは埼玉県加須市や千葉県野田市など合わせて4カ所に栽培拠点を設けており、合同捜査本部は、約2000本、末端価格で5億円相当の大麻草を押収している。

ベトナム人が大麻草を大規模に栽培して逮捕された例は、これが初めてではない。

昨年11月には福井市のマンションの一室で大麻草を販売目的で栽培し、男女3人が逮捕され、大麻草計158本が押収された。同年8月には、甲府市の自宅や工場跡地で、大麻草1300本以上を栽培したとして、技能実習生の男ら3人が捕まっている。その前月にも群馬、神奈川両県で、同様の容疑で複数の男女が逮捕…。報道ベースで1年間を振り返るだけでもこんな具合だ。

なぜ、こうも多いのか。在日12年のベトナム人男性が明かす。

「ベトナムでは法律上、大麻の栽培は死刑の可能性もある重罪ですが、実際には検挙されても6万円程度の罰金刑で終わることが多い。産業に乏しいベトナムの農村部では、副収入を得るために大麻草を栽培する農家は少なくない。技能実習生や日本に出稼ぎに来ているベトナム人の多くは田舎の出身なので、大麻草の栽培のノウハウを持っている人も多いし、種子の調達も容易です」

次回は、在日ベトナム人によって栽培された大麻草が日本国内でどのように流通しているのか、その経路についてお伝えする。

=つづく

外国人材の受け入れ拡大や訪日旅行ブームにより、急速に多国籍化が進むニッポン。外国人犯罪が増加する一方で、排外的な言説の横行など種々の摩擦も起きている。「多文化共生」は聞くも白々しく、欧米の移民国家のように「人種のるつぼ」の形成に向かう様子もない。むしろ日本の中に出自ごとの「異邦」が無数に形成され、それぞれがその境界の中で生きているイメージだ。しかしそれは日本人も同じこと。境界の向こうでは、われわれもまた異邦人(エイリアンズ)なのだ。

■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。

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