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日本の解き方 事実上の軍事同盟「露朝条約」で日本の脅威増大、防衛システム無力化の恐れ 4つの選択肢…核共有などタブーなき議論を

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月29日 15時0分

ロシアと北朝鮮が結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」は事実上の軍事同盟とも指摘されている。日本への脅威はどれぐらい増すのだろうか。

プーチン大統領によれば、この条約は冷戦時代に結ばれた「ソ朝友好協力相互援助条約」と同じであるという。同条約は、ソ連の崩壊により1996年に失効したが、その「現代版リバイバル」になっている。冷戦下でソ連が北朝鮮を直接軍事的に支援できることになっていたが、今や北朝鮮がウクライナ戦争でロシアを軍事的に支援する後ろ盾にもなった。

北朝鮮の日本への脅威は、冷戦時代とは比較にならないほど大きくなっている。まず、北朝鮮は既に核を持っているといわれ、その運搬手段であるミサイルも米国本土まで到達できるようになっている。

実戦でどの程度使えるかは未知数だが、相当な脅威であることに変わりはない。その北朝鮮が、ロシアと軍事同盟を結んだら、極東アジアでの軍事バランスは大きく変化する。

これまで国連安全保障理事会は、北朝鮮に対して各種の制裁措置を決めてきた。曲がりなりにも国連が北朝鮮の歯止めになってきたが、今後はロシアが拒否権を発動する可能性が高い。というのは、これまで安保理は核・ミサイル開発を進める北朝鮮との武器の輸出入などを禁止しているが、今回の露朝条約はこれに抵触すると思われる。

早速、日本や米国、韓国は安保理決議違反に当たると主張し、緊急会合の開催などへ動き出した。ただし、ロシアは今回の条約の正当性を主張するので、北朝鮮に関する安保理決議は今後形骸化する可能性が高い。

また、ロシアが既に実戦配備している極超音速滑空体について、北朝鮮に対して技術供与すれば、北朝鮮が開発中のものはすぐに実用可能になる。となると、今の日本は弾道ミサイルに対する防衛を想定しているので、防衛システムは無力化してしまいかねない。

隣国で友好国でないところが防御不能な核兵器を持った場合、選択肢は①友好国になるか、そうでない場合には②米国の核の傘③米国との核共有④自前の核保有しかない。

望ましいのは①だろうが、現状では期待できない。②は現実的であるが、米国は自国を危険にさらしてまでも日本のために核を使うとは考えにくい。そこで、少なくとも③核共有が次善の策になる。安倍晋三元首相は、2年前に暗殺される直前まで、核共有の議論が必要であると言っていた。

22日、こうした話を大阪・ABCの情報バラエティ番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」の中で、芸人のほんこんさん、藤井聡京大教授と話したが、「地上波では珍しい議論」と言われて、こちらが驚いた。

昨今の極東アジア情勢で、ロシアと北朝鮮が事実上の軍事同盟を結ぶなど緊迫していることを考えれば、「非核三原則」を堅持するなどというほうが国際常識に反するだろう。タブーなき議論が必要だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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