1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

岩田温 日本の選択 立民が政権政党になりたいなら〝極左〟斬り捨てろ かつて「右から左まで」存在した自民で「保守主義」神髄を理解した中川昭一氏

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月7日 10時0分

昭和歌謡の天才、島倉千代子の代表作は「人生いろいろ」だ。かつて小泉純一郎首相が、野党議員の質問に応じて、「人生、いろいろ、会社もいろいろ」と語った日が懐かしい。答弁の際、これだけ国民をバカにした話もないと感じたが、実際には、国民は小泉氏に拍手喝采を送った。政治家ならぬ、役者・小泉純一郎、なかなかやるなと思った瞬間だった。

昨今では、「ダイバーシティ」「多様性」などと呼ばれるが、自民党の強さはこの多様性にあった。「右から左まで」いるおおらかさがあった。

保守主義者の私としては許容できない「左」まで存在した。河野洋平、野中広務、古賀誠各氏など、保守政治家とは呼べない人々が自民党を牛耳っていた。そうした時代もあった。

しかし、中川昭一、安倍晋三、高市早苗各氏といった「本格的な保守政治家」も存在していた。多様性こそが自民党の強みだった。自由民主党には右から左まで政治家が存在した。

現在の野党、立憲民主党にいるのは「左から極左まで」だろう。話にならないのだ。日本学術会議の問題でご活躍の山口二郎・法政大学教授は8月30日、自身のX(旧ツイッター)で、次のように語っている。

「立憲民主党の代表選挙について、リベラル派市民が野田(佳彦元首相)さんを嫌悪する事情も分かるけど、今の日本でリベラル派は少数でしかないことを理解すべき。そのうえで、政権交代を起こすために中道保守と提携するか、尖ったことを言い続けるリベラルでいたいかを選択すべき。どっちかが悪いという話ではない」

悪いのはそこじゃない、と教えてあげるのは私の最後の優しさだろうか。立憲民主党が政権を担える政党になりたいならば、極左を斬り捨てるしかない。「憲法9条があるから日本は平和だ」と本気で信じているならば、行くべきは国会ではない。「でも」といいたいならシールズと叫んでおけ。

保守派が絶対に忘れてはならないのは中川氏の存在だ。保守本流。安倍元首相の兄のような存在だった。彼が主張していたのは「保守主義」だ。現状に満足し、改革を否定する。これは愚かな守旧主義だ。保守主義ではない。似て非なるものに過ぎない。

守るべきものを守り抜くための改革を辞さない。保守主義の神髄を理解した政治家が中川氏だった。彼を兄のように慕ったのが安倍氏に他ならなかった。

中川氏が無念の最期を遂げ、安倍氏はテロに斃(たお)れた。日本政治を甦(よみがえ)らせるのは保守主義に他ならない。わが国を守るため、「後に続くを信ず」と敢然と散った青年たちの思いを継承する気概。こうした政治家をわが国の総理に戴(いただ)きたい。

高市早苗、小林鷹之両氏に期待する所以(ゆえん)である。

岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。大和大学准教授などを経て、現在、一般社団法人日本学術機構代表理事。専攻は政治哲学。著書に『興国と亡国―保守主義とリベラリズム』(かや書房)、『後に続くを信ず―特攻隊と日本人』(同)、『新版 日本人の歴史哲学~なぜ彼らは立ち上がったのか』(産経新聞出版)など多数。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください