鉄ドル・伊藤桃 “ぐう渋”居酒屋の旅 錦糸町駅「三四郎」 備長炭で焼いたうなぎのもっちりとした旨味がたまらない「くりから焼き」がうまい！

こうも暑い日が続くと、うなぎをアテにくいっと一杯飲みたくなります。今回は極上の「くりから焼き」をリーズナブルにいただける一軒。戦後間もない１９５１（昭和２６）年に開業した、錦糸町の老舗大衆居酒屋「三四郎」さんです。

平日の１９時半、しとしとと雨降る夜だったためかすんなりと入れました。店内には船形のカウンターがででんと構えており、そちらへ着席。壁には年季を感じるメニュー札がずらりと並んでいますが、白木のすべすべとしたカウンターと同じく、どれもぴしっと手入れが行き届いています。

刺し身、揚げ物、焼き物から一品まで一通りそろっていますが、まずは手堅くくりから焼き、イカとマグロのお刺し身、もつ煮込み豆腐を注文。くりから焼きがすぐやってきたので、慌ててお酒も日本酒に切り替えました。日本酒は１合４００円からいただけます。辛口ときいて「越乃白梅」の生貯蔵をお供に、いざくりから焼きへ。

これが旨い。備長炭で焼いた、香ばしいタレともっちりとしたうなぎの旨味がたまらない。そしてお値段は１本４５０円とお手頃なのがまたうれしい。あまりのおいしさに、他の串焼きも頼んでしまいました。

もちろん優しいみそ味の煮込みに、芸術品のように輝くお刺し身と、ほかのメニューも外れなし。どぜう鍋など気になるメニューがいくつもあったので、ぜひまた再訪したい。一足早く〝夏〟を感じた夜でした。

「三四郎」は東京都墨田区江東橋３の５の４（０３・３６３３・０３４６）。

■伊藤桃（いとう・もも）　鉄道アイドル、タレント。３月１１日生まれ、青森県出身。青山学院大学文学部卒業。ＪＲ全線完乗した乗り鉄。渋い居酒屋めぐりも趣味。ＦＭ狛江「伊藤桃の小田急全駅ものがたり」（毎月第３、５日曜）に出演。ヴィレッジヴァンガードサイトでコラム連載中。著書に「小田急全駅ものがたり」「桃のふわり鉄道旅」。頑張る居酒屋をインスタグラム（https://www.instagram.com/itomomo_izakaya/）でも応援中だ。