志らべのユー、次なに見る 原爆作った男も戦争の犠牲者だったのか 天才物理学者の栄光と没落の生涯、実話に基づいて描いた伝記映画「オッペンハイマー」
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月19日 15時0分
日本では今年3月に公開されたばかりの映画「オッペンハイマー」がU―NEXTでも配信が始まりましたね。私、こういった話題作はちゃんと映画館で見ております。すごく良かったですよ。
ただ、見る前は監督がクリストファー・ノーランということでちょっとだけ腰が引けてはおりました。特に2020年に公開された「TENET テネット」がそうだったんですが、難しいんです。小学生みたいな言い方しちゃいましたが、これはしょうがない。映画館で見ながら「もうわからぬ!」と、途中で理解するのを諦めちゃいましたから。
今回も場面転換が激しくて訳が分からなかったら嫌だなあ、怖いなあと、怪談を語る稲川淳二のような了見でいたのですが、それは杞憂でした。
第二次世界大戦下、アメリカの極秘プロジェクト、マンハッタン計画に参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは、世界で初となる原子爆弾の開発に成功します。しかし、原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになり…。
天才物理学者・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づいて描いた伝記映画です。
そう、没落の生涯なのです。原子爆弾を開発してさぞ尊敬されて生きてきたのかと思いきや、苦悩しながら原爆をこさえたのに、晩年はひがんだ人たちに陥れられて実に苦しい生き方を余儀なくされるのです。
この映画、被爆国の人間として、他の国の人とは違った思いになるものでしょう。原爆を作った男オッペンハイマー=とんでもない人、という印象もあったのですが、この映画を見ると、オッペンハイマーも戦争の犠牲者であったことがわかります。
日本に落とされた原子爆弾について少しでも知りたい人は見るべき映画です。 (立川志らべ)
※配信は予告なく終了している場合もあります
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