1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

久住昌之 するりベント酒 2年ぶりに同じスーパーのナポリタン! 前とは違う「昔ながらの喫茶店」思わせる…駄菓子屋世代を喜ばせるに足る味

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月20日 10時0分

(夕刊フジ)

近所のスーパーで、レンジでチンするだけのナポリタンを買った。この連載で前に書いたな、と思ったが、なんかパッケージが違う気がして購入。

連載を見返してみたら、2年前の8月に買って食べて書いていた。その時の写真を見たら、やはり違う。

前のは「新鮮トマトとベーコンのナポリタン」。今回のは「やさしい味わい太麺ナポリタン」。確かに今回の方が麺が太い。前のは398円で、今回のは498円。値上がりしてるが、器も大きく量も少し多く見える。具はベーコン、玉ねぎ、ピーマン、トマトで、変わらない。

前はオレンジワインを買って、冷やして飲みながら食べ、そのあと飲みタイムになったと書いてある。夜だったんだな。

今回は昼。エビスビールを横に置いたが、飲んでない。今夜仕事が全部終わったらおいしく飲むであろう。

さて、レンジで5分半あっためて、蓋を開けフォークで全部混ぜて完成。あらかじめケチャップ味で出来上がった太麺の上に、切った生のピーマントマト玉ねぎそしてベーコンがのっていて、これらには味がつけてなくて、最後に混ぜ合わせるところがポイントのようだ。

フォークで巻き取って、熱いのを食べた。

あ、違う。前と違う。麺が太いというのは、ずいぶん印象が変わる。でもこの麺の方がうまい。ような気がする。昔ながらの「喫茶店のナポリタン」という味がする。この味は家では作れないな。油が違うのかな。ラード?バターとかも入ってるかな。

タバスコが欲しくなる。粉チーズも欲しくなる。しかもそれらをドバドババサバサと、調理人が見たら眉をひそめるほど振りかけたくなる。

こういうのを食べると「駄菓子的においしい」と思ってしまうのは、ある年代以上なのではないか。何かジャンクフードの魅力を感じてしまう。

ボクの子供の頃は、コンビニがなくて駄菓子屋があった。そこには、人工甘味料・人工着色料・合成保存料、さらに合成糊料がふんだんに使われていて(「梅ジャム」にはその四つが全部入ってた。というか、それだけでできていた)、それはPTAのお母様方が眉をひそめるお菓子だった。だが我ら小学生にはたまらなくおいしかった。今の子供たちはコンビニで多種多様なグミなんか買うが、あれはどうも「ジャンク」という感じはしない。

このナポリタンは、駄菓子屋世代を喜ばせるに足る味がする。というと、この製品が体に悪そうな書きぶりだが、そうではないと思う。

立ち食いそばもインスタントラーメンもたこ焼きも駄菓子的だ。人は、栄養があってからだに良い無農薬無菌状態なのを清潔な部屋でピカピカの器に盛ってマナー正しく食べる、というのだけでは、息苦しくなるのではないか。

こないだも地方に行って、屋台のラーメンを、歩道のテーブルで食べたら。めちゃくちゃにおいしかった。翌日、地元の高級店でお刺身とか鰻丼とかいろいろ食べたが、東京に帰ってきたら、屋台のラーメンが一番「あ、あれはおいしかった!」というストレートで力強い思い出になっている。お刺身の味を思い出すと、どうも自分の舌が心細く頼りない。

今日のはなかなか力強いナポリタンだった。

(マンガ家、ミュージシャン・久住昌之)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください