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日本の解き方 大規模システム障害の教訓 世界で社会的・経済的に大打撃も…中露には影響なし 安全保障面では多様なOSの準備も選択肢に

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月26日 11時0分

19日、マイクロソフトの「ウィンドウズ」を搭載した一部のパソコンは、ブルースクリーンの状態となった(夕刊フジ)

世界各地のウィンドウズのパソコンで大規模なシステム障害が発生した。その背景は何か。どのような備えが必要なのか。

7月19日、ウィンドウズを搭載したコンピューターが全世界的な規模でクラッシュした。これは、悪意の第三者によるサイバー攻撃ではなく、米クラウドストライク社によるソフトウエアに欠陥のあったアップデートが原因だ。

このソフトウエアは主として企業が用いており、ほとんどの個人用コンピューターは影響を受けなかった。筆者は多数のコンピューターを所有し運用しているが、たまたま旅行中であり、評価用にクラウドストライクのソフトウエアを導入しているコンピューターは停止中だったのでまったく影響を受けなかった。

影響を受けた端末は850万台と全コンピューターの約1%だったが、空港、医療機関、テレビ局、政府など幅広い分野で、社会的・経済的に大きな影響があった。

システム障害は、画面が深刻な障害を示す「ブルースクリーン」になるというもので、再起動しても容易に回復しないものだった。

今回の場合、問題が特定されているので理屈の上では復旧は容易だ。復旧の手順はクラウドストライクから示されているが、個別に影響を受けたコンピューターで作業しなければいけないので、途方もない作業量になる。

備えといっても、ウィンドウズのPCシステムの根幹であるセキュリティーソフトで欠陥があると、事前の準備はお手上げだ。問題が起こったら、一刻も早く復旧するしかない。

なお、クラウドストライクのセキュリティーソフトで欠陥があったのは、ウィンドウズ版だけであり、他のオペレーションシステム(OS、基本ソフト)であるマックやリナックス版では不具合はなかった。このため、基幹システムについて、ウィンドウズだけではなく、マックやリナックスを用意しておくという手はあるが、コスト面で実用的ではないといわれる。

しかしながら、安全保障面から、基幹システムで脱ウィンドウズを進めている中国や、西側から制裁を受けてウィンドウズに依存しないロシアではシステム障害はほとんどなかったといわれている。

安全保障面では多様なオペレーションシステムを用意しておくのはあり得る選択肢だ。

なお、クラウドストライクは米民主党政権とのつながりが深いとも言われている。また、おそらく陰謀論であろうが、共和党のトランプ前大統領は、クラウドストライクはウクライナともつながりがあるとみているようだ。

となると、トランプ氏は、自身に対する暗殺未遂事件と、クラウドストライクが引き起こした世界的な大規模システム障害の間に何らかの関係性があると思い込み、ウクライナにより冷淡になるという可能性も考えられる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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