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ニュース裏表 有元隆志 衆院選〝勝敗ライン〟自公過半数「233」なるか 早期解散で「野党共闘進まない」、非公認で党内混乱「自民は過半数下回る可能性」予測も

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月11日 6時30分

安倍晋三元首相は在任中、2度の衆院選で大勝したが、勝敗ラインを聞かれると「自民・公明両党で過半数を確保すること」と答えた。実際には自民党だけでそれぞれ291、284議席を獲得して大勝した。安倍氏の「政敵」である石破茂首相もこの点は踏襲し、「自公で過半数」を勝敗ラインに設定した。

3年前のことを思い出したい。岸田文雄政権発足後まもない選挙で、自民党は261議席を獲得し、事実上の「勝利」といえた。だが、開票が始まる前は、岸田首相(当時)ですら単独過半数(233)確保ぎりぎりの苦戦であると覚悟した。

それが、ふたを開けると自民党は激戦区を次々と制した。立憲民主党を中心に5野党が候補者を一本化した213選挙区のうち、1万票差以内で与党が勝った選挙区は31に上った。1000票以内は4つあった。

立憲の枝野幸男代表(同)は「僅差まで迫った選挙区が多かったが、競り勝てなかった」と悔しそうに語ったが、自民党にとっては楽勝ではなかったのである。

今回、「政治とカネ」をめぐる問題で自民党に対する厳しい目が注がれているなかで、激戦区を勝ち抜くことは容易ではない。

週刊文春と政治広報システム研究所代表・久保田正志氏の合同予測 「自民219、公明25」

選挙プランナー・三浦博史氏 サンデー毎日で予測 「自民234、公明30」

週刊文春と政治広報システム研究所代表の久保田正志氏の合同予測は「自民219、公明25」(9月27日時点)、選挙プランナーの三浦博史氏はサンデー毎日で「自民234、公明30」(10月20―27日号)とした。

三浦氏は与党で過半数を上回るとした理由について、早期解散によって「野党共闘が進まない」ことを挙げる。

立憲の野田佳彦代表は候補者を200人以上にする方針を示す。日本維新の会もすでに160人以上を擁立している。立憲と共産党との選挙協力について、共産党の田村智子委員長は立憲とは安全保障政策などで違いがあるため「両党間の共闘の条件は基本的に損なわれた」として、候補者調整は「地域ごとの限定的なもの」になる見通しだ。

野党がバラバラだと自民党にとっては有利なはずだが、それでも厳しい戦いになることが予想されている。

三浦氏も、石破茂首相が自民党政治資金パーティー収入不記載事件で、「非公認」あるいは「比例代表との重複を認めない」方針を決め、党内が混乱していることから、「自民党が伸びていくことは考えにくい」と予想する。自民党は過半数を下回る可能性が高いということだ。

仮に、自公で過半数割れする事態になったらどうなるか。

1983年12月の衆院選で、自民党はロッキード事件で田中角栄元首相に有罪判決が下ったこともあり、予想外の敗北を喫し、公認候補だけでは単独過半数を割る事態となった。

時の中曽根康弘首相は無所属議員を追加公認し、さらには新自由クラブと衆院で統一会派を結成し、事実上の連立を組むことで何とか政権を維持した。

同じような事態となったら、自民党は日本維新の会、もしくは国民民主党との連立に踏み切るのか。その主導権は石破首相が取るのか、あるいは退陣に追い込まれるのか。これまで以上に「過半数233」の持つ意味は大きい。 (産経新聞特別記者・有元隆志)

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