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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 シニア起業、どんな人がうまくいくのか「3つの円」で考える 長続きするのは「店舗や在庫」持たない1人で自由にやる事業

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月9日 11時0分

銀座セカンドライフ代表取締役、片桐実央さん(夕刊フジ)

会社で定年を迎えても働き続けたい人は、会社の再雇用に応じるか、再就職先を探すか、あるいは起業・独立を選ぶかを決めなくてはなりません。

一般的に起業・独立はハードルが高そうです。シニア起業に踏み切り、ずっと継続できている人も少なくありません。シニア起業の専門家として、数多くのシニア世代の起業を支援してきた銀座セカンドライフ代表取締役、片桐実央さんに起業・独立に向く人について聞くと次のような答えが返ってきました。

「シニア起業に向いている人は自分の能力をすぐにお金にできる人、自分の経験・知識を使ってお金をもらうことができる人でしょうね」

比較的長続きしているシニア起業者に特徴はあるのでしょうか。

「起業するときにあまり投資をしない人、例えば店舗や在庫を持たなくていいような事業を選んだ人が比較的うまくいっていることが多いと感じます。もちろん、店舗を開いてうまくいっている人もいますが、事業運営にあまりコストをかけないようにすることです」

従業員もなるべく雇わないほうがいいのでしょうか?

「どんな事業をやるかによりますが、私の知るかぎり、1人で起業して自由にやっている人のほうが長続きする確率が高いと思います。人を管理するのは大変ですよ」

片桐さんが支援した中で、手堅く継続している事業者の例を教えてください。

「大手老舗ホテル出身の朝倉博行さんという人がいます。ホテル業界向けコンサルタントとして65歳で起業し、ホテルの開発・運営知識をアドバイスしています。すでに10年近く事業を継続し、70歳を超えた現在も活躍しています。また、大手電機メーカーのシステムエンジニアだった平山雄三さんは2013年、55歳のときに中高生向けプログラミング事業で起業し、こちらも10年以上、元気で事業を続けていらっしゃいます。お二人とも大きな投資をせず、コストもかけず、ご自分の得意なことをよく理解して起業した方々だと思います」

起業するには何から手をつければいいでしょうか?

「まず『3つの円』を紙に書いてください。ひとつめの円に自分の『できること』を書き入れます。次に、もうひとつの円に『やりたいこと』を書き入れてください。残りの円には『お金になること』を書きます。こうして書いた3つの円が重なるところ、それが、あなたが起業を考えるための大きなヒントになるはずです」

「交流会」をのぞいてみてほしい

片桐さんは、銀座セカンドライフ(https://ginza-entre.com/)が開催している交流会に出て同世代の人と交流し、起業の世界をのぞいてみてほしいと続けます。

「ご自身のセカンドライフをどうするか、100人いれば100通りの悩みがあるでしょう。必ず大丈夫という方法はありません。後悔しないためにもゆっくり考えて、納得できるセカンドライフを送っていただきたいですね」

藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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