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経営者目線 ワタミ創業史に夕刊フジあり 「88歳の夢」を記しておく

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月29日 6時30分

本社に再現した昔の看板の前で(夕刊フジ)

今回で夕刊フジの連載としては最後となる。

40年前、ワタミ1号店の一番最初のお客さまが手にしていたのが夕刊フジだった。あの光景は一生忘れられない。午後5時の開店と同時に看板をつけたがお客さんがすぐには来ず、「このままずっと来ないのではないか」と、不安になったものだ。午後5時半すぎに1人のサラリーマンが夕刊フジを手に来店された。うれしかった。その瞬間が、ワタミのはじまりだ。夕刊を読みながら、ビールを飲んでいる人が多かった。

ワタミ創業40年、夕刊フジ創刊56年。居酒屋も夕刊も、昭和の象徴で、サラリーマンの夕方からの「憩い」の存在だった。時代の変化とはいえ、夕刊フジの休刊を寂しく思う。ただ、私は「紙の新聞」が大好きだ。なくならないと信じている。それは居酒屋も同じだ。ネットニュースや、オンライン飲み会にはない「独特の良さ」がたくさんある、揺り戻しは、必ずあると思う。

私が連載を始めたのは参院議員を卒業すると決めた2019年のことだった。政界進出を決めた11年の東京都知事選では約101万票、13年の参院選は約10万票と、多くの方が、私の政治に期待してくださった。議員を卒業しても問題提起や、提言は続けていきたいと、この場を大事にしてきた。菅義偉元首相にも「夕刊フジ読んだよ」と声をかけていただくなど、多くの方から反響があり励みとなった。

コロナ禍もワタミの経営判断をタイムリーに伝えてきた。未曽有の危機と戦った毎週の心情は、後々、重要な記録となるだろう。残念ながら、コロナ禍で国の借金は膨らみ、この6年で日本は財政破綻に近づいた。

ハイパーインフレ、大暴落への警鐘にはとくに力を入れ、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏、元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史参院議員の意見も度々、紹介してきた。日銀や、国家財政はもう5年も持たないだろう。大衆迎合政治の行き着く先の、ハイパーインフレは避けられないと感じる。「ドルで資産防衛をしてください」、そう呼びかけ、危機からひとりでも多くの方を救いたい。

2月からは、産経新聞のニュースサイト「産経ニュース」で、「経営者目線」の連載を続けていくことになった。財政破綻の警鐘に加え、ワタミの挑戦記も引き続き伝えていきたい。「居酒屋のワタミから、サブウェイのワタミへ」は、まだはじまったばかりだ。未来永劫(えいごう)残るであろう、夕刊フジの最後の連載で、明確に記しておきたいことがある。それは夢だ。「23年後、2048年、サブウェイ3000店舗達成」。私はその時、88歳であり、経営者人生完結の年としたい。私の人生はいつも、こうして「夢に日付を」いれてきた。今の日本の政治に足りないのは、こうした逆算力だ。叶えたい未来から物事を見る、それが究極の経営者目線だ。88歳、夢を叶えた私は、サブウェイのサンドイッチとコーヒー、そして、今日の夕刊フジを片手にして、昔を懐かしんでいるだろう。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO) =おわり

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