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日本美女目録 草笛光子という女優 監督に「金歯」を提案、鬼気迫る〝すごみ〟演出 石坂浩二の金田一耕助シリーズ第3作「獄門島」(1977年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月21日 6時30分

円熟味を増してきたころだ(夕刊フジ)

石坂浩二の金田一耕助シリーズ第3作にあたるのが「獄門島」(1977年、市川崑監督)。すっかり市川崑監督のお気に入りとなった草笛光子は、一連の作品すべてに顔を出している。「獄門島」では鬼頭与三松の愛人・お小夜役を演じた。

当時は「横溝正史」ブームの真っただ中、映画公開の約1カ月前からはTBSで古谷一行版の「獄門島」がスタートしている。

そこでテレビ版との差別化を図るためにも、映画版は何と原作とは犯人を替えたのだ。映画館の入り口に「テレビと犯人が違います」と看板を立てて、その違いをアピールした。しかも映画の予告編でも、何と横溝自身が「私も犯人を知らないんです」と語る手の込みよう。それが功を奏したのか映画はヒットした。

これは横溝正史先生も了解済みのこと。実は目先を変えたいという思いと、監督自身が犯人を女性にしたいと考えたことから生まれたものだったと「完本 市川崑の映画たち」(洋泉社刊)で明かしている。「私の映画の犯人はすべて美しい女性」という言葉がすべてを語っている。

それにしても、女歌舞伎の旅芸人という過去を持つお小夜を演じた草笛が怖かったという声も多かった。それだけ鬼気迫るものがあったのだろう。その存在感が圧倒的だという証拠だ。

草笛は自分のアイデンティティーをしっかり持っている人。だから監督にも、何かと意見を述べていたらしい。

撮影では、監督に金歯を入れることを提案したという。その時は何もいわれなかったが、本番でカメラが顔の近くまでアップになった。それには「笑ったときにピカッて光るように寄ってくださったんです。うれしくって笑っちゃった」と草笛自身が回顧している。

ファンもきちんと細かく見ており、ネット上では「あの金歯にはすごみがあった」との書き込みもあった。

さて、彼女は初の自叙伝で、美容の秘密について「実は私は若々しくなりたいとか、きれいでありたいとか思ったことはあまりないのです。ただひとつ思っていることは、人の心を動かせる女優になりたいのです」と明かしている。そのため必要なのは元気な体。だから70歳を過ぎて、筋トレを始めたという。まさに女優の鏡だ。 (望月苑巳)

■草笛光子(くさぶえ・みつこ) 1933年10月22日生まれ、90歳。横浜市出身。50年に松竹歌劇団(SKD)に入団。在籍中の53年、映画「純潔革命」で銀幕デビューも果たした。テレビ黎明期の58年、「光子の窓」で人気を得る。99年に紫綬褒章、2005年には旭日小綬章を受章している。

「獄門島」 1977年8月27日公開。主題歌は前野曜子の「愛のテーマ」。

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