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天野秀夫 中小型厳選株 「オープンワーク」に一段高の期待膨らむ 社員口コミサイトを開発・運用、自社株買い発表の好業績低位株

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月21日 6時30分

日経平均は4万円大台を前にして上値が重い展開が続いています。その一つの要因がトランプ次期政権の政策。大統領府とともに米上・下院ともに共和党が制する「トリプルレッド」の成立で関税引き上げによる日本経済への影響や、米長期金利の上昇は日本株に対しても割高感を意識させることになり、海外投資家の買い期待が後退する流れが形成されています。

20日の生成AI(人工知能)最大手の米エヌビディアの決算を受けた半導体関連株の動向も気掛かりで、波乱含みの展開が予想されます。

不安定な地合い下では、グロース市場を中心とする新興市場銘柄には腰の据わった資金は入りにくく、軟調な展開が継続しています。こうしたなか、注目されるのは自社株買いです。下値不安が軽減されて業績面で見直しができる銘柄は、選別物色の対象となり、年末高候補となるでしょう。

前週(11日から15日)の期間中に自社株買いを発表したグロース銘柄は15銘柄ありました。この中でも、無配株ながらも株価600円台の値頃感と今2024年12月期業績が2ケタ増収益見込みの「オープンワーク」(5139)は、株価水準の切り上げが期待できる銘柄です。

13日の第3四半期決算と同時に発表した自社株買いは、自己株式を除く発行済株式総数の4・22%に当たる90万株、取得金額5億5000万円をそれぞれ上限として、取得期間は14日からスタートし来年7月31日を取得期限に設定されています。この発表後に株価はストップ高を交えて500円台から一段高しましたが、ここからは好業績が見直されます。

東証プライムのリンクアンドモチベーションを親会社に持つ同社は、実際に働く経験に基づく「社員の声」を元に、国内最大級の転職・就職情報、社員口コミサイト「オープンワーク」開発・運用を手掛ける企業です。1月から9月のユーザー数は677万人(前年同期比14・7%増)、クチコミ数は1790万件(同14・6%増)、もう一つの収益の柱である「オープンワークリクルーティング」のWEB履歴書は、126万件(同32・6%増)、契約者数3500社(同29・3%増)、求人数8万2000件(同36・4%増)と拡大基調が鮮明となっています。

今12月期第3四半期累計(1~9月)は前年同期比20・4%増収、20・8%営業増益で通過。据え置いた通期予想は売上高34億円(前期比16・3%増)、営業利益10億円(同16・8%増)、経常利益10億円(同17・1%増)、当期利益6億8500万円(同11・6%増)で3期連続の最高益予想です。さらに、通期営業利益予想に対する第3四半期時点での進捗(しんちょく)率は92%強と高い数字を示しています。10月から12月期に先送りした販管費が増加するとして会社側は通期予想を据え置きましたが、通期増額修正の可能性も抱えています。週明けに13週線が26週線を上抜くゴールデンクロスが接近し、水準訂正高が期待できる低位好業績銘柄です。

■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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