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あなたも物語の一員に!?「イマーシブ演劇」最前線 観客に役割を与え物語を作る「ムケイチョウコク」演劇空間や参加方法を実験的に変更、言葉をほとんど使わない公演も

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月10日 15時30分

「漂流する万華鏡」では黒子役の観客もいた(夕刊フジ)

観客を登場人物の1人として参加させ、役割を与え一緒に物語を作りあげるのが「ムケイチョウコク」だ。

演劇人を中心にコロナ禍の2021年12月に立ち上げたイマーシブシアター(体験型演劇)団体で、公演を重ねるごとに演劇空間や観客の参加方法などを実験的に変えている。セリフのある芝居が中心だが、前回公演はパントマイムやダンスも使い、言葉をほとんど使わない試みに挑戦した。

映画館に併設するカフェ、古民家カフェ、元映画館…、その空間が持つ独特の雰囲気が物語の核を作り、観客と役者が交流しながら物語を作り上げていく世界観は、観客にはハードルが高そうだが決してそうではない。

演技するというより、ただ目の前の役者とコミュニケーションをとる。

「雨が降っているね」

「そうだね」

このように返事で応じるだけで物語ができるので初参加でも安心だ。

古民家カフェで行われた「漂流する万華鏡」では観客が黒子役を務め、見えない存在である傍観者が設定されたりもした。観客が自然に動けるよう工夫されているのも特徴の一つ。

また子供たちが登場人物として参加し、カップルのプロポーズを成功させようという企画は全国各地で行う構想もある。

次回公演はこの秋、東京・六本木にある書店「文喫」とのコラボで、2つの没入体験が楽しめる。

昼はMR(複合現実)を活用した作品「ボイスフレンド」を使い、店内を歩くとイヤホンから自分だけに声をかけてくる物語体験ができるというもの。

そして夜は劇中の登場人物として、時に俳優演じるキャラクターたちと会話をし、会場内を移動しながら物語を楽しめる演劇作品。

双方に参加することでより没入度が高まるという仕掛けだ。

コアメンバーで構成・演出の今井夢子氏は「その日に参加するお客さまによって、物語が微妙に変化してくるのが、演劇的で有機的だと思います」と語る。

上演のたびに形を成しては消えていく、そんな無形な彫刻作品を作っていきたいという団体名に込められた思いが伝わってくる。 (佐藤栄二)

新作情報 9月下旬~10月末、文喫(東京都港区六本木6の1の20 六本木電気ビル1F)。詳しくはHP(https://www.mukeichoukoku.com/)で順次発表される。

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