勝者のワザ ターゲットを狙い打つショートアイアンのショット、バーディーチャンスを量産 「住友生命レディス東海クラシック」優勝、岩井明愛
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月21日 15時0分
首位の山下美夢有に4打差の3位から最終日をスタートした岩井明愛が、ボギーなしの8バーディーを奪取して逆転優勝を果たし、シーズン3勝目を挙げた。
1番から3連続バーディーとロケットスタートを切った岩井は、8番ホールで山下に並んだ。ここから両選手はデッドヒートの戦いを展開した。2年連続の年間女王である山下は、今シーズン未勝利。一方の岩井は、前週の日本女子プロゴルフ選手権で最終日のバックナインで崩れて悔し涙を流している。さて、どちらが、優勝への思いを強く持って東海クラシックの最終日に臨んでいたのであろうか。試合後の両者のコメントから解き明かしてみよう。
敗れた山下は、こんな話をした。
「勝ちたかったのですが、ちょっとショットが乱れていて会心のゴルフというわけにはいきませんでした」
岩井のコメントは、こうだ。
「日本女子プロでは勝ちたい、勝とうという気持ちが強すぎて自分を精神的に追い込んでしまいました。だから、今大会では、〝勝たなくてもいいや〟と思い、自分を解放させようとしていました。それより、良いゴルフをしたいと、そればかりでした」
こうして並べてみると優勝への思いは、山下の方が強かったのではあるまいか。それがちょっとした力みを誘発させ、フォロースルーでの起き上がりを早めさせていた。
岩井のスイングには安定感があった。特にみごとだったのはショートアイアンでのコントロールショットだった。ピンまでの距離をしっかりと打ち、バーディーチャンスを量産した。
山下も長めの距離を決めて岩井のショット力に対抗したが、一歩届かなかった。
岩井の狙い打ちには、大切なポイントがある。インパクトからフォロースルーにかけてフェース面を変えないことだ。リストターン、アームローテーションを使うことなく、ヘッドを必要以上に加速させずにクラブをコントロールする。これは、現在、どのツアーでも主流になっている技術だ。フィニッシュで腕が、クラブが首に巻き付かないように意識するところから練習をスタートさせよう。
■岩井明愛(いわい・あきえ) 2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。8歳からゴルフを始め、双子の妹・千怜とともに、埼玉栄高校時代から活躍。武蔵丘短大に進み、20年度のプロテストで2人そろって合格。初勝利は千怜に先を譲ったが、23年「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝し、国内初の双子優勝となった。同年9月に史上4人目の2週連続完全Vを達成。今季は3勝で通算6勝。161センチ。趣味はサッカー。
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