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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 「定年のない仕事」とは? 「調理師」「清掃員」に多い傾向、ホワイトカラーの職種も増加 給与の最高額は

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月11日 11時0分

関岡央真さん(夕刊フジ)

2021年、高年齢者雇用安定法の改正により、70歳まで就業機会を確保することが企業の努力義務になりました。その流れを受けて、定年制度を廃止する企業も出ています。しかし現実は、「60歳でひと区切り」とする企業がまだ多く、その後は雇用延長をへて65歳で退職というパターンが一般的でしょう。

さらに、定年前の50代半ばに、役職定年制度などで給与を大幅にカットする企業も多く、年金世代予備軍の50代の会社員は、もやもやした気分になることでしょう。「定年」という区切りを不本意に感じる人も多いと思います。

ならば、「定年のない仕事」はあるのか? 元気であれば70歳まで、あるいはそれ以後も働ける仕事はあるのかを見ていきましょう。

この6月、シニア転職支援のシニアジョブ(東京都新宿区)は、同社が提供するシニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された求人のうち、「定年なし」の求人について、その傾向を調査した結果を発表しました。

同調査によると、「定年なし」の職種で一番多い掲載数は「調理師」(1291件、平均時給1051円)でした。さらに、「清掃員」(1188件、同1000円)▽「介護職」(1166件、同1250円)▽「交通誘導警備」(947件、平均日給9410円)▽「美容師」(555件、平均年収450万円)と続きます。

そのほかに「定年なし求人」の件数が多いのは「栄養士」「生活支援員」「食品加工」「介護ドライバー」「セールスドライバー」「施設警備」「マンション管理」でした。

こうして見ると、「定年なし」といってもパート・アルバイト的な仕事が多いように思えます。ホワイトカラーとして働いてきた読者は少しがっかりするかもしれません。

シニアジョブ戦略人事本部長/シニア就業促進研究所長の関岡央真さんに話を聞くと、シニアジョブではパート・アルバイトの求人も「定年なし」の求人として掲載しているので、どうしても前述の職種が上位にきてしまうそうです。しかし、今回の調査では、「事務」や「営業」の「定年なし求人」件数も多い結果が得られたと言います。

「ホワイトカラーの職種でも、老後も働き続けられる方向となりつつあることが分かったので、ぜひ探してみてください」(関岡さん)

収入も気になるところですが、「シニアジョブに掲載された『定年なし』の求人で提示された給与の最高額は、『営業』が年収1250万円、『建築施工管理』が年収1100万円」とのことでした。

定年なしで長く働くことができる仕事の募集職種を見ていたら、中国華僑が使ってきた「三把刀」(さんぱとう)という言葉が浮かびました。料理人の包丁、仕立て職人のハサミ、理容師のカミソリの刃物のうち、どれか一つでも扱えれば、職にあぶれずどこでも暮らしていけるという意味です。やはりそういう仕事は長続きするのだな、と感じられる調査結果でした。

■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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