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ニュース裏表 有元隆志 玉木代表と榛葉幹事長の息ぴったり 国民民主、党内が一枚岩ではない課題も「石破執行部より国民の心は明るくなる」に同感

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月8日 6時30分

「石破総理と林官房長官の会見より玉木さんと榛葉(しんば)さんの会見の方が国民の心は明るくなる」

こう自身のフェイスブックに書き込んだのは、元内閣官房参与の加藤康子さんだ。同感である。

政府と野党の立場の違いもあるだろうが、石破茂首相や林芳正官房長官とは対照的に、国民民主党の玉木雄一郎代表と榛葉賀津也幹事長には明るさがある。2人が「時の人」になる前から、玉木氏のネット番組「たまきチャンネル」、榛葉氏の記者会見には注目していた。

玉木氏は元財務官僚ということもあり、政策についてホワイトボードを使いながら分かりやすく解説している。榛葉氏は記者団とのやりとりが小気味いい。

榛葉氏は「趣味は玉木雄一郎」という。かつての二階堂進・自民党元副総裁の「趣味は田中角栄」に倣ったのだろうが、代表と幹事長の息がぴったり合うことは望ましい。国民民主党の前身ともいえる民社党では、大内啓伍委員長と米沢隆書記長の折り合いが悪かった。

1991(平成3)年秋に民社党担当となった際、困ったことは大内委員長と米沢書記長のどちらの話を信じればいいのかということだった。自民党が参院で過半数割れした後で、重要法案には野党の協力を必要とした。今日と状況が似ており、民社党の存在感が増していた。

焦点となっていたのが、自衛隊を海外に派遣する国連平和維持活動(PKO)協力法で、翌92年に社会党などが牛歩戦術で抵抗するなか、民社党は公明党とともに賛成した。

民社党はこの時、社会党などが出した宮沢喜一内閣不信任決議案にも反対しており、「部分連合」と言ってよかった。ただ、93年には政治改革関連法案をめぐり民社党は宮沢政権との対立を深め、宮沢内閣不信任決議案に動く。米沢氏が自民党の小沢一郎元幹事長、公明党の市川雄一書記長のいわゆる「ワン・ワン・ライス」の連携で主体的に動いた。

民社党は細川護熙連立政権に参加し、その後、新進党に参画して解党する。大内氏は公明党の参加に反対して新進党には加わらず、米沢氏らとたもとを分かった。民社党は労組出身である米沢氏らと、そうでない大内氏らに色分けされた。国民民主党も玉木氏や榛葉氏は労組出身ではないが、労組の支持を受けた議員も少なくない。

民間労組も参加する連合は先の衆院選について、「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」するとの立場を明確にした。玉木氏は立憲民主党とは組まないと明言しているが、党内は一枚岩ではない。

労組出身議員からは「与党に入りたければ玉木、榛葉両氏だけで行けばいい」との冷ややかな声もある。民社党時代と違って、トップとナンバー2の意思疎通はいいが、労組出身議員たちとの温度差をいかに解消するかの課題はある。

そうした事情はあっても、玉木、榛葉両氏の発信力は抜群である。政局的には時にふらつき、LGBT問題では立場が異なるが、それでも玉木氏は今の石破首相よりもはるかにましだろう。 (産経新聞特別記者)

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