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森永康平の経済闘論 米大統領選で検討する「複数シナリオ」 トランプ氏とハリス氏、どちらが勝つと株式市場が上昇?掲げる政策に注目

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月22日 6時30分

今年は世界の人口の約半数に当たる40億人が国政選挙で票を投じる1年であることは昨年からずっと指摘されてきたことだが、そのなかで最も影響のある米大統領選が近づいてきている。

つい先日、日本では「令和のブラックマンデー」とも称される株式市場の急落があり、そこから一転して株価指数が急回復するなど、個人投資家にとっては株式市場から目が離せない局面が続いているが、そろそろ米大統領選の結果にも関心が移ってきているようで、大統領選でトランプ氏とハリス氏のどちらが勝つと株式市場が上昇するのか、という質問が多く寄せられるようになってきた。

大前提として大統領の任期は4年あるため、大統領選の結果が出た瞬間に市場は右肩上がりになる、またはその反対の相場展開になると決めるのはあまりにも安直な考えである。

重要なことは、各候補がそれぞれどのような政策を掲げており、その政策が実行された場合に経済に対してどのような影響を与えるか、という複数のシナリオを頭に入れておくことだ。複数のシナリオが頭に入っていれば、先日のような急落、暴落が起きたとしても、狼狽(ろうばい)せずに落ち着いていられる。

たとえば、トランプ氏は現在のドル高について「米国にとって大惨事だ」とSNSで投稿をしている。これは「アメリカファースト」を掲げる同氏にとっては国内の製造業を守る意味では当然の発言であろう。しかし、このスタンスだけを見て、トランプ氏が当選したらドル安、つまり円高になると考えるのは早計だ。

同時にトランプ氏が掲げているいくつかの政策を見てみると、どれもドル高になりかねないものばかりだ。たとえば、移民を制限する場合は、安い労働力を失うことになり、国内のインフレ要因となる。また、関税を引き上げるなど保護主義的な政策をとれば、中国を筆頭に海外からの安い財が入らなくなるので、これもまたインフレ要因となる。その結果、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げをしづらくなり金利が高止まりすれば、ドル高は解消されない。

また、「トランプ減税」で財政不安が連想され、金利が上昇すれば、それもまたドル高となるだろう。

大統領選までまだ時間はある。このように、トランプ、ハリス両氏が掲げている政策について、分野ごとに政策が実現されると為替や株式にそれぞれどのような影響が出るのかを整理しておくとよいだろう。

森永康平(もりなが こうへい) 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。

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