トクリュウ強盗で30人逮捕も…指示役には届かず 横浜強盗殺人事件の容疑者「ずっと通話していた」 山口でも関連の事件か

首都圏で相次いでいる強盗事件をめぐり、横浜市青葉区の強盗殺人事件で逮捕された自称個人事業主、宝田真月容疑者（22）が「（事件の際は）通信アプリを使い、指示役とずっと通話していた」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。一連の事件は、互いに面識のない「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」が関与しているとみられ、警視庁と神奈川、千葉、埼玉の3県警が合同捜査本部を設置して実行役や運転役など約30人を逮捕したが、指示役には至っていない。

捜査関係者によると、宝田容疑者は交流サイト（SNS）で「ホワイト案件」などの投稿を見つけて指示役とつながり、「初めて応募した」と説明している。他の実行役2人とは当日まで面識がなく、青葉区内で車に乗せたと話しているという。

千葉県市川市の住宅で女性（50）が一時行方不明となった事件に関わった疑いで逮捕された男2人のうち、監禁容疑で現行犯逮捕された藤井柊容疑者（26）の指紋は、横浜市の強盗殺人事件の現場で検出されている。

トクリュウの関与が疑われる事件はほかでも起きた。

山口県警は21日、同県光市の住宅から金品を奪う目的で、工具などを持参して強盗の準備をしたとして、強盗予備の疑いで、千葉県多古町の自称男子高校生（18）と、自称茨城県牛久市の男子高校生（16）、同県龍ケ崎市の男子中学生（14）の3人を逮捕した。3人は互いに面識がなかったとみられ、県警は指示役がいることも視野に捜査している。