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日本の解き方 複数ある世界の「男女平等」ランキング 日本が上位もあるのに…なぜか低順位だけ報じられる不可解 数値目標化は問題では

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月19日 11時0分

世界経済フォーラムが発表した2024年版「男女格差(ジェンダー・ギャップ)報告」で日本は調査対象の146カ国中118位となったことが大きく報じられた。

世界経済フォーラムは、ダボス会議を主催するスイスの非営利団体だ。そこが「健康」「教育」「経済」「政治」の分野ごとに各種データをウエート付けしてジェンダー・ギャップ指数を算出している。

具体的には「健康」で健康寿命、出生性比、「教育」で識字率、初等就学率、中等就学率、高等就学率、「経済」で労働参加率、同類職における賃金、平均所得、立法職・政府高官・管理職比率、専門・技術職比率、「政治」で国会の議席、大臣数、最近50年の首長の在任期間となる。

日本は「健康」の順位は58位、「教育」では72位とまずまずだが、「政治」は113位、「経済」は120位だった。 「健康」と「教育」の数値は世界トップクラスと大差がないが、「経済」は平均より低く、「政治」では世界最低ランクだ。指数計算上、政治と経済が大きく足を引っ張っている。

同種の指標として知られているのは、国連が発表している「ジェンダー開発指数(GDI)」と「ジェンダー不平等指数(GII)」だ。

GDIは、人間開発の3つの基本的な側面である「健康」「知識」「生活水準」における女性と男性の格差を測定し、人間開発の成果におけるジェンダー不平等を表している。3月に公表された指数では、日本は193カ国中92位となっている。

GIIは、「リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)」「エンパワーメント(力をつけること)」「労働市場への参加」の3つの側面における女性と男性の間の不平等による潜在的な人間開発の損失を映し出す指標である。これも3月に公表されており、日本の順位は193カ国中22位だ。

いずれにしても、作成主体の考え方次第で大きく変動するのが世界ランキングだ。その順位に一喜一憂、右往左往するのではなく、多角的に比較して、自国の観点から足りない点があれば改善する程度の参考指標である。いわんやそれを数値目標として扱うのはいささか問題であろう。

それにしても、男女平等ランキングにいろいろあって、日本の順位も上位から下位まであるのに、なぜか順位の低いものだけをマスコミは取り上げる。

林芳正官房長官は、ジェンダー・ギャップ指数で日本が118位だったことに対し、「政治分野では立候補や議員活動と家庭生活との両立の困難や人材育成の機会の不足、経済分野では女性の採用から管理職、役員へのパイプラインの構築が途上であることなどが背景にある」と述べた。

ただし、筆者から見れば、「政治」の低順位は、女性の国会議員が相対的に少ないことに帰着する。これは民主主義による投票結果であり、政府の努力ではいかんともしがたい面もある。「経済」でも民間経済を前提とする以上、政府ができることには限界がある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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