イラン、イスラエルに報復宣言 ハマス最高指導者・ハニヤ氏殺害で「血に報いる」 ヒズボラ幹部殺害で「紛争拡大」も懸念
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月1日 15時15分
中東情勢が悪化の一途をたどっている。パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦うイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者、イスマイル・ハニヤ氏(62)がイランの首都テヘランで殺害されたことを受け、イランの最高指導者、アリ・ハメネイ師は7月31日、イスラエルに対する「報復宣言」を行った。イスラエルは暗殺実行を認めていないが、対立激化は必至の情勢だ。イスラエルは同月30日、レバノンの首都ベイルートを空爆して親イラン民兵組織ヒズボラの司令官を殺害したと発表しており、「紛争拡大」も懸念されている。
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「シオニスト(イスラエル)がわれわれの客人をわれわれの家で殉教させた」
「彼(ハニヤ氏)の血に報いることがわれわれの義務だ」
ハメネイ師は声明で、こうイスラエルを糾弾した。
イラン革命防衛隊も「イスラエルは抵抗戦線やイランからの厳しい反撃に直面する」とする声明を出し、テヘランでの抗議集会では「報復すべきだ」との声が上がった
米CNNによると、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」は7月31日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のヘブロン近くで「2件の銃撃作戦」を実行したことを明らかにした。ハニヤ氏殺害への報復としている。
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は31日のテレビ演説で、親イラン勢力に「壊滅的打撃を与えた」と強調。ハニヤ氏暗殺への直接の言及を避けつつ「われわれへの攻撃は重い代償を支払うことになる」と語った。
紛争の広域化も懸念されている。ヒズボラとイスラエルの戦闘激化のため、米国務省は7月31日、レバノンへの渡航警戒レベルを4段階のうち最も厳しい「渡航中止」(レベル4)に引き上げた。
中東情勢は今後、どうなりそうか。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「絶対的なトップのハメネイ師が報復を明言した以上、イラン革命防衛隊も必ず何かしらの行動はとるだろう。ただし、イランは自国の高官が殺されたわけではない。イラン側も、イスラエルとの全面戦争は避けたいと考えており、妥当な報復は何かを検討している状況ではないか」と話した。
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