1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

年金世代・予備軍「シニアの居場所」 「コーストFIRE」というライフスタイル 仕事は辞めない、老後資金の心配なしに日々普通に働く

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月5日 15時30分

「コーストFIRE」のイメージ(夕刊フジ)

一時期、「FIRE」という、経済的自立と早期リタイアを目標とするライフスタイルが若い世代を中心に流行しました。資産運用によって得られた不労所得で将来の生活費を確保し、会社に縛られず自由に生きることを目指す生き方です。

若い世代だけでなく、興味を持ったミドルシニア世代もいるでしょう。しかし実際にはその達成は難しく、資産をためて離職したものの、もくろみ通りにいかなかった例も少なくないようです。

そんななか、リタイア一辺倒ではない新しいFIREのスタイルが提唱されています。そのひとつが〝コーストFIRE〟。「老後資金の心配なしに日々普通に働く」といったスタイルです。

不動産・住宅情報から働き方・生き方情報まで発信する「LIFULL HOME'S」の『ライフプランをフレキシブルに「コーストFIRE」でもっとラクに生きる』(https://toushi.homes.co.jp/column/lifeplan/financial_plan/beginner756/)という記事を参考に、概要を紹介しましょう。

コーストFIREは、生活のため働き続ける必要はあるものの、老後資金の貯蓄を続けなくてもよい状態を達成すること、を指します。

ここで留意したいのが、「老後資金を○○○万円をためたら達成」ではなくて、「複利で長期運用すれば、自分が老後に差し掛かる頃に老後資金○○○万円に育つ予定の投資元本△△△万円(=○○○万円よりかなり低い金額)をためたら達成」という考え方に基づくことです。

比較的達成しやすい△△△万円という貯金金額を目標にできますし、達成しても、その後も普通に働く生活を続けるのですから、目論見が大きく変わる出来事が起きたとしても、致命的なダメージは避けられるでしょう。

同記事では、①ある一定の投資元本をため、金融商品に投資する②投資元本が複利効果で増え、老後を迎える頃には必要な資金がたまっている③現役時代には、これ以上貯蓄をする必要がなくなる④労働収入をすべて生活費・ぜいたく費・教育費などに自由に使える、という順番で「コーストFIREを達成」とあります。

ポイントはやはり資金の長期運用と複利効果です。つまり、始める年齢が若ければ若いほど投資元本、つまり元手は低くてもよいわけです。

「ではコーストFIREは若い世代向けの話ではないか」と思うかもしれません。しかしミドルシニア世代向けに、その考え方を応用すればどうでしょうか? 現在50代のビジネスパーソンでも、今後は70歳あるいは75歳まで働くことになるかもしれません。その間、収入を得ながら、投資元本を長期運用すれば、完全に引退するときにはかなりの老後資金に育っていることが期待できます。

また、コーストFIREにこだわらず、月々少額の「つみたて投資」もあるかもしれません。金融庁の「つみたてシミュレーション」では、月々5万円の積み立てを年3%で運用できれば、20年で1642万円になるという計算も示されています。

とはいえ、この不確実性の時代、投資だけに頼るのは不安です。そうした心理もあり、仕事を辞めないスタイルが注目されているのでしょう。

■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください