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久住昌之 するりベント酒 白波のスペシャルな前割りと天むすのセットが最高 「海老天」と「肉しぐれ煮天」3対2の絶妙な連携プレイに唸る

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月9日 15時0分

(夕刊フジ)

11月1日は「焼酎の日」だそうで、下北沢で焼酎トークに招かれ話してきました。

というのも、ボクの漫画「古本屋台」にはいつも芋焼酎白波のお湯割りが登場するからです(トークイベントは白波が協賛でした)。

終わって、お土産に白波の一升瓶を一本いただいた。ところがこれはただの焼酎ではない。白波を、現地の仕込み水で割って、7日間置いたもの。いわゆる焼酎の前割りのスペシャル版。これを一升瓶に詰めて持たせてくれたのです。

寝かすことによって、より水と焼酎が馴染んで角がとれ、まろやかな味になる。これホントにおいしい。独特の芋の香りと味はそのままで、なんとも呑み口がいい。冷でも燗でも常温でもおいしい。もともと白波は好きな焼酎なんだけど、惚れ直しました。

で、これに近所で買ってきた「すえひろの天むすミックス」を合わせてみたら、最高。

この天むす、一個が一口サイズ。で、3個が天然海老の天むす、2個が肉しぐれ煮天。

この肉しぐれ煮天が油断をついてくる旨さでビックリ。ちょいと甘いんだけど、そこがうまい。柔らかく煮た牛肉が天ぷらの衣に包まれてごはんに包まれ海苔に包まれていて、それが口の中でほどけ混じって爆発する。最近食べた弁当でスマッシュヒット。海老の天むすに続くとさらにうまく感じる。この連携プレイは絶妙。

そう、今書いたけど、天むすというのは、エビが天ぷらにされ、そのまますっぽりごはんに包み込まれ、さらに海苔に包まれているという三重包まれ構造がうまさの秘密である。

天ぷらの衣は当然サクともパリともしなくなるんだが、衣は空気に触れずごはんに密着されてシナシナになりつつ、旨さをごはんに移し、中心のエビとすべてが一体化していく。それが初め口に入れ噛むことによって立ち昇る海苔の香りに続いて、口腔内に独特な旨さを創出せしめ、スコブルおいしい。

そして付け合わせが、下手なお新香でなく、キャラブキなのが大人。気が利いてる。シブい線ついてて拍手。

一口サイズというのが酒の肴に実に手頃。少し空腹を感じているときに食べたから、この旨さはひとしおであった。ごはんのお米も、冷めててもおいしいと感じた。

最初に海老天むすを食べ、クイッと前割りを飲み口を濯ぎ、次に肉しぐれ煮天むすを食べ、ニンマリとして前割り、また天むすに戻り肉天にいって、最後本筋の海老天むすでフィニッシュというのも実によくできている。3個3個ではこうはいかない。3個2個にして大正解。

しかし、これが芋焼酎の前割りとこれほどマッチするとは思わず、唸ってしまった。

関係ないけど食べ物エッセイの名手でもある池波正太郎先生も、よく唸っているが、さらに「その旨さに思わず目を剥いた」とも書いていて、「目を剥く」という表現が凄くて笑った。「目を丸くした」よりもさらに眼球突出感がある。あの池波先生が鯛焼きとかを片手に「目を剥いてる」図を思い浮かべると笑ってしまう。

先生は他にあるエッセイの最後の締めくくりに「(前略)これに醤油を垂らして食うと、ちょいとうまい。」とも書いていて、そこでも笑った。この「すえひろ天むすミックス」キャラブキ添え、税込み875円だけど、値段に相応している傑作弁当だと思います。

(マンガ家、ミュージシャン)

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