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志らべのユー、次なに見る 実際の事件をもとに警察と検察の闇を暴く 袴田事件の冤罪を知っていると…遠い国のこととは思えない「罪深き少年たち」

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月26日 15時0分

©2023 CJ ENM Co., Ltd., AURA PICTURES ALL RIGHTS RESERVED(夕刊フジ)

先月、U―NEXTで配信が始まったのが、2022年の韓国映画「罪深き少年たち」です。

1999年、全羅北道参礼のウリスーパーマーケットで強盗殺人事件が発生します。警察は3人の少年を逮捕し、事件は終結したかのように見えたのですが、翌年、〝狂犬〟の異名を持つ敏腕刑事のファン・ジュンチョルのもとに、ウリスーパー事件の真犯人に関する通報が入り…。

この映画、〝参礼ナラスーパー事件〟という実際にあった事件をもとにできたもので、警察と検察の闇を暴く社会派サスペンスです。

無実の罪で刑を受けた少年たちとその裏側を暴く刑事たちの物語、と言ってしまうとよくあるストーリーのように思うかもしれませんが、日本では袴田事件で逮捕された袴田巌さんは冤罪によって50年近くも服役し、最近ようやく無罪が確定したことを知っているだけに、この映画が遠い国のことのようには思えなくなります。

少しでも早く犯人を逮捕したいという刑事の思いが行きすぎた行動となり、一度決定したものを取り消せないお役所の考え方が組織的に隠蔽して事件を硬直化させる。この構図はどこの国でもどんな時代でもあり得ることなんでしょうね。

主演のソル・ギョングという役者さん、私はおそらく初めて見るくらいの記憶しかないのですが、いい顔しているんです。生まれ変わったらこんな顔になりたいというくらい、いい顔しています。この顔で与太郎を演じたら受けるんだろうか?という些細な疑問は抜きにして。

1999年当時の血気盛んな頃と、左遷されてすっかりおとなしくなってしまった顔、そこからさらに情熱を取り戻していく様子をすごく真摯に演じています。

この映画が実際の事件をどこまで脚色しているのかはわからないんですけど、権力者というのは簡単にこんなことができてしまうんだという、性善説まっしぐらに生きている私には胸の痛い映画。でも、だからこそ見るべき映画です。 (立川志らべ)

※配信は予告なく終了している場合もあります

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