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候補者乱立する総裁選〝保守共倒れ〟危機 小林鷹之氏「自民党は生まれ変わる」と出馬表明も〝支持層〟被る高市早苗氏、青山繁晴氏 

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月20日 15時30分

高市氏(夕刊フジ)

9月の自民党総裁選では、保守系議員への支持に注目が集まっている。岸田文雄内閣の支持率低下の一因に「岩盤保守層」の離脱があるからだ。政界屈指の保守派で「日本初の女性宰相」と期待される高市早苗経済安保相(63)が出馬準備を進めているが、19日に正式に名乗りを上げた小林鷹之前経済安保相(49)や、青山繁晴参院議員(72)と〝支持層〟が被っている。総裁選、特に決選投票がリベラル派だけになれば、「岩盤保守層の自民党離れ」は加速しそうだ。

「自民党は生まれ変われることを証明したい」

小林氏は19日午後、国会内で出馬会見を行い、こう宣言した。

千葉県出身、開成高から東大法学部を卒業し、大蔵省(現財務省)に入省した超エリートである。会見では、「まずは信頼回復」「政策活動費や旧文通費の透明化」「脱派閥選挙の徹底」などと自民党の刷新を訴えたうえで、「世界をリードする日本」「日本経済を上昇気流に乗せる」「防衛力の強化」「憲法改正は先送りできない」などと日本の未来について明確なビジョンを示した。

小林氏の出馬をどう見るのか。

政治評論家の有馬晴海氏は「政策論があり弁が立つ。優秀で期待が集まる人物だが、まだ党内基盤は弱い。財務相や外相など、いわゆる『格』のある大臣経験や、党要職経験がないのもネックだ。小林氏を支持するのは、党勢を上向かせられない岸田首相に不満を募らせていた若手・中堅だ」と分析する。

小林氏の出馬会見には、大塚拓衆院議員、福田達夫元総務会長、中曽根康隆衆院議員、塩崎彰久衆院議員ら党所属の中堅若手議員ら24人が同席した。ベテラン議員は「二世議員や、当選回数の浅い若手が目立つ。選挙に不安を抱え、自民党への国民の不信感の払拭を切望しているのだろう」とみる。

一方、小林氏の保守的な政治信条に期待する声もある。前述のように、憲法改正に意欲的で、自衛隊明記を訴える。「真に自律し、他国の動向に右往左往しない日本」を信念に掲げている。

経済安保の重要性を早くから指摘していた。先の国会で高市氏が成立させた「セキュリティ・クリアランス(SC)制度」の法制化の素地を整えたといわれる。

あるベテラン議員は「国民には知名度の薄かった〝新顔〟の保守系候補が登場したことで、議員や党員の支持が割れる可能性がある」と語る。

共同通信社が19日に公表した緊急世論調査によると、次期総裁にふさわしい人物は、トップは石破茂元幹事長(25・3%)、2位は小泉進次郎元環境相(19・6%)、3位は高市氏(10・1%)だった。一方、小林氏も3・7%で、前月調査の0・7%から急伸した。

高市氏は自身のX(旧ツイッター)に「国家経営を担うべく、心を固めている」と投稿するなど、出馬準備を進めている。岩盤保守層に絶大な支持があり、全国各地で行う講演会には毎回多数の聴衆が駆け付けている。

青山氏も強固な保守派として知られ、毎年、多数の党員を獲得するなど、世論から支持を受けている。

総裁選出馬には20人の推薦人が必要だが、候補者乱立や推薦人の引きはがしで高市氏や青山氏の出馬が難航すれば、岩盤保守層の自民党への支持は低下する。9月27日投開票とされる総裁選は、岸田政権で勢力を盛り返したリベラル派ばかりの戦いとなるのか。

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