桑木志帆「去年の忘れ物」リベンジV 最終18番で受けていた〝しぶこパワー〟国内女子ゴルフ「資生堂レディス」
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月1日 13時19分
国内女子ゴルフ「資生堂レディス」最終日(6月30日、神奈川・戸塚CC=6697ヤード、パー72)
これぞ正真正銘のリベンジだ。「去年の忘れ物を取りにこられて良かったと思います」とは桑木志帆(21)である。
1年前の大会で初の優勝争いを演じながら、18番で行われたプレーオフで当時19歳の桜井心那にバーディーを奪われ敗れ去った。初日の18番、その悪夢が頭によぎった。「リベンジしたい」とバーディーを奪った。それで嫌な思いを消した。桑木は言った。「去年は粗削りだったけど、今年は底力がついたかなと思っている」という自信である。
首位に1打差の2位タイで迎えた最終日、9番(パー4)で13メートルを沈めるバーディーで単独首位に立つ。12番(パー4)は大きく右に曲げたティーショットが木に当たってフェアウエーに戻る。「ラッキーだった」と運を味方にする。ピンまで残り142ヤードの2打目を10メートルに付けてスコアを縮めるなど4バーディー、1ボギーの69。通算11アンダー、最後まで流れを切らさなかった。
「素直にうれしい」と笑顔を見せたが、実は同じ岡山県生まれの渋野日向子の〝パワー〟を受けていたのである。
2打のリードで迎えた最終18番(パー4)、2打目をグリーン左のラフに入れた。「あっ、同じところ…」と桑木は思った。5年前の同大会、優勝した渋野も最終日の18番で〝ソコ〟に2打目を運んだ。しかもそのとき、渋野のバッグを担いでいたのは、今大会で桑木のキャディーを務めた門田実さん(54)である。「渋野と一緒だね。行けるよ」と門田さん。桑木も思った。「練習のときから、そこから寄せていた。絶対にできる。日向子ちゃんだって」と、ピンまで10ヤードをウエッジで1メートルに寄せた。そして勝ち切った。
昨季は3度の2位を含め10度のトップ10入り、今季も優勝争いを何度か演じて、やっと頂点に立った。〝伸びしろ〟はドライバーの飛距離。昨季の平均は239・46ヤードで46位だったが、今季は248・33ヤードで16位にアップ。「ゴルフが楽しい。次は2勝目を…」。桑木の笑顔が満開になった。 (清水満)
1年前の悔しさを払拭する初Vで桑木は大きくガッツポーズ=6月30日、横浜市
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