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石破首相の戦略、東京⇔平壌「連絡事務所」に拉致家族会は北朝鮮の〝幕引き〟利用を警戒 関係筋「単純な『外交』が成立するとの思考は甘い」

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月4日 15時30分

北朝鮮による拉致問題解決に向けた石破茂首相の戦略に対し、被害者家族らの危機感が高まっている。石破政権は3日、家族と早期に面会する意向を示したが、石破首相がこだわる「東京・平壌での連絡事務所開設」が、北朝鮮の一方的主張を飲まされることによる「問題幕引き」や「時間稼ぎ」に利用されるのではとの懸念が出ているのだ。北朝鮮への姿勢をめぐり、首相と家族の「距離」が広がりかねない危険が生まれている。

「できるだけ早期に、ご家族の方々とお会いし、その心中をおうかがいしたい」

拉致問題担当相を兼務する林芳正官房長官は3日の記者会見でこう述べ、石破首相と家族の直接面会を急ぐ意向を明かした。

石破首相も2日、家族に〝直電〟し、就任あいさつとともに、解決の戦略を説明したことが判明している。

政府関係者らによると、石破首相は電話で、拉致解決を「最重要課題」とする政府の方針を伝えた。家族側は謝意を示した上で、石破首相がこれまで持論としてきた連絡事務所と合同調査委員会設置への強い懸念を表明したが、石破首相は北朝鮮との外交を可視化することなどで局面打開を図る趣旨だと答えたという。

石破首相は以前から、日朝交渉進展のために連絡事務所や合同調査委の設置が必要との立場を重ねて示してきた。これに対し、家族会や支援組織「救う会」は機会あるごとに反対姿勢を示してきた。1977年に北朝鮮に連れ去られた横田めぐみさん(59)=拉致当時(13)=の弟で、家族会代表の横田拓也さんは「北朝鮮は当然、被害者も管理し、現状をすべて把握しているはずだ。相互に事務所を作り合同調査を行うのはナンセンス。解決を遅らせる欺瞞(ぎまん)工作に手を貸すことになる」などと警鐘を鳴らしてきた。

事態進展のないなか、被害者と家族の高齢化だけが進む。めぐみさんは47年間、帰国がかなわないまま5日、60歳の誕生日を迎える。母の早紀江さん(88)は「必ず再会することを胸に誓い、日々懸命に生きている」と悲しげに語る。

日朝交渉に詳しい外交関係筋は「表舞台か、水面下かを問わず、北朝鮮側が日本側との交渉で『窓口役』にさせたのは、多くのケースで対日工作担当などの情報当局者らだった。北朝鮮と単純な『外交』が成立するとの思考は甘い。拉致事件の背景や日朝関係の経緯を含めて、あらゆる情報を頭にたたき込み、北朝鮮の噓や策謀を看破できる人材が交渉に加わる必要がある。日朝交渉は文字通り『情報戦』だ」と語った。

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