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2024「ノーベル賞」日本人の有力候補 見逃せない〝大穴〟の存在 近年「世界を変える」ような実用化の功績が評価

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月5日 10時0分

藤田誠氏(夕刊フジ)

今年もノーベル賞ウイークがやってきた。日本人が受賞すれば、2021年に物理学賞を受けた気象学の真鍋淑郎・プリンストン大学上席研究員(93)以来、3年ぶりとなる。自然科学分野で注目される日本人研究者を科学ジャーナリストの馬場錬成氏がリストアップした=別表。〝大穴〟の存在も見逃せないという。

7日発表の生理学・医学賞では、ノーベル賞の「登竜門」とされる英情報会社の「クラリベイト引用栄誉賞」を受けた米国立眼病研究所の彦坂興秀氏が注目されている。脳の「大脳基底核」と呼ばれる場所にある特定の領域が、運動の制御や学習行動にどう関連しているか研究し、鬱病や依存症などの理解に役立つとされる。

免疫の働きをコントロールする「制御性T細胞」を発見し、自己免疫疾患や、がんの治療法を開発した坂口志文(しもん)大阪大特任教授(73)の功績も認められて久しい。

糖尿病や心疾患などに関わる「小胞体ストレス応答」の研究で知られる森和俊・京大高等研究院特別教授(66)にも引き続き期待がかかる。

8日の物理学賞では、佐川真人・大同特殊鋼顧問(81)が注目される。一般的な磁石よりも数十倍の磁力を持ち、1グラムで3キロの鉄を持ち上げる「ネオジム磁石」を開発。電気自動車(EV)のモーターや携帯電話、風力発電などに活用されている。

佐川氏は7月には欧州特許庁から「欧州発明家賞」を受賞した。19年の同賞受賞者の吉野彰氏は、その年のノーベル化学賞を受賞している。

メモリデバイスなどに応用可能な新物質の研究で成果を挙げた十倉好紀・東大卓越教授(70)や、リニアモーターカーに応用される物質を発見した細野秀雄・東京科学大栄誉教授(71)への期待も大きい。2人は日本学士院賞・恩賜賞を受けている。同賞受賞後にノーベル賞を受賞した研究者も複数いる。

江崎玲於奈氏(99)の2回目の受賞も引き続き期待されている。

9日の化学賞では、クリーンエネルギー分野に貢献する人工光合成の研究で業績を上げた神谷信夫・大阪公立大特別招聘教授(71)のほか、分子が自発的に集まり複雑な構造をつくる「自己組織化」の研究で藤田誠・東大卓越教授(67)も注目だ。

女性研究者のノーベル賞受賞も増えているが、日本では、東大工学部の野崎京子教授(60)の研究も注目されてきた。多様な合成樹脂(プラスチック)の生産に必要な化学反応を自在に制御する「触媒」を開発し、医薬品や農薬の生産に役立てられたほか、着色しやすいプラスチックや、電子レンジで使える食品容器などに応用された。燃やしても有害物質を発生しないプラスチックも開発し、環境にも貢献している。

馬場氏は「以前は原理や真理の研究が受賞することが多かったが、近年は『世界を変える』ような実用化の功績が評価されており、民間企業の研究者の受賞も少なくない。また、日本ではノーベル賞に後れて国が表彰するような事態を避けるため、最近は有望な研究者に早めに賞を出す傾向があり、叙勲歴を持つ研究者にも注目だ」と解説した。

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