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「有事」に国を守れる宰相は 自民総裁選で重要な争点 元自衛隊統合幕僚長が分析、世論に迎合しない国家観と決断力が必要

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月28日 15時30分

求められるリーダー像について語る河野氏(夕刊フジ)

自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)で重要な争点になるのが、防衛や安全保障に関する見識や政策実行力だ。今月26日には中国軍機による領空侵犯が初めて確認され、沖縄県・尖閣諸島周辺海域でも連日のように中国海警局船が侵入するなど脅威は高まる一方だ。台湾海峡は緊張しており「台湾有事は日本有事」でもある。北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、ロシアや中東では戦争が続き、同盟国の米国も11月に大統領選を控えるなど、次期首相は就任直後から重大な決断を迫られる可能性がある。元自衛隊統合幕僚長の河野克俊(かわの・かつとし)氏(69)は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなかで求められるリーダー像について語った。

長崎県沖で26日に領空侵犯した中国軍機について河野氏は「情報収集機であり、自らの飛行位置を把握していなかったということは考えにくい。『意図的』に行った可能性が高いのではないか。日本の製薬会社社員を『スパイ罪』で起訴したことなども含めて、中国側の日本に対する姿勢が強くなっていると感じる」と分析する。

自民党次期総裁については「わが国の安全保障を守る自衛隊の最高指揮官であるとの自覚を持ち、取るべき時には対外的に毅然(きぜん)とした態度も取れるリーダーが必要だ」と強調した。

2019年まで自衛隊制服組のトップを4年半務めた河野氏は、政治家と自衛隊が距離を近づけるべきだと話す。

「北朝鮮や台湾海峡問題などの潜在的な脅威もあり、一段と不安定な状況になっている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナで侵略戦争もやっている。そうした厳しい安全保障環境のなかで、強い信念を持つリーダーが選ばれることを期待する。日本の首相になるということは自衛隊の指揮官、最終的な責任者になるということだ。政治が自衛隊に距離を取った時代がずっとあったが、政治家が自衛隊をそばに置き、責任を持ってコントロールする時代に入ったと思っている」

国際社会の構図も大きく変化している。中国の習近平国家主席やプーチン大統領らは、戦後の欧米中心の国際秩序に対抗する体制として「拡大BRICS」を構築しつつある。日本は基盤となる米国との関係をどう維持、発展させるべきか。

河野氏は「安全保障面で、日米同盟は基本に据え続けるべきベストな選択だと思う。ただ、やはり日本が米国に依存している現実はあり、極力対等な関係に近づける努力をしてほしい。米大統領選で仮にドナルド・トランプ前大統領が返り咲いても日本は言うべきことは言わなければならない。いろいろな意味で強い国を目指してもらいたい。信念を持って右顧左眄(うこさべん)しない強さを持ってほしい」と指摘する。

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