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元文春エース記者 竜太郎が見た! 都知事選の悪質ポスター〝日本人の劣化〟もここまできたか ほぼ全裸の女性や風俗店の案内、故・三浦春馬さんの似顔絵まで

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月9日 6時30分

選挙はいったい何のために、誰のために行われているのか。7日に投開票が行われた東京都知事選では、その本質を冒瀆(ぼうとく)するような不謹慎なポスターが出現した。

<世界は三浦春馬であふれてる>

このタイトルとともに俳優、三浦春馬さん(故人、享年30)の似顔絵が描かれたポスターが、6月下旬、選挙掲示板に貼られていた。

「渋谷区でそのポスターを見てギョッとしました。小池百合子さんや蓮舫さん、石丸伸二さん、田母神俊雄さんといったテレビで取り上げられる各候補のポスターよりも目立っていた。掲示板48面のうち20面もその変なポスターが貼られ、故人は候補者でもないのに、これはいったいどういうつもりなんだと強い憤りが湧いてきました」(付近の住民)

映画「君に届け」や「進撃の巨人」などに出演し、将来を嘱望されたスター俳優が亡くなったのはコロナ禍の2020年。自宅で発見され、警察の検証の結果、自死と報告された。しかし彼の死を不審死だとする一部のファンが独自の活動を続けており、今回のポスターを貼ったユーチューバーもそうしたファンの一人だという。

同ポスター下部には<選挙を楽しもう>というメッセージと大きな二次元コードがあり、それを読み込むとユーチューバーのサイトに飛ぶ仕掛け。最終的には有料メンバーシップに誘導する目的があることが発覚した。

要は注目を集めてそれに乗じて金もうけしようという魂胆で、さらには選挙と有名人を使っての作戦だ。常識のある人ならばこれを「悪質だ」と憤慨するのはけだし当然。しかしポスターを剥がすと罰せられるのはこっちである。

また名前を勝手に利用された三浦さんの遺族やファンの心情を考えるといたたまれない。三浦さんが所属した芸能事務所アミューズが強い憤りを表明し、選管に抗議したと発表したのも当然だ。

ではなぜこんな事態になったのか。今回の〝掲示板ジャック〟は、「NHK党が候補者を大量擁立することで選挙ポスター掲示板を専有し、党に寄付した人の主張を掲載しているからなのです。つまり寄付者にスペースを売っていることになりますが、公選法では売名やビジネス目的と思われるポスターの規制はなく、ポスター掲示枠の売買を禁止する規制もないのが現状。法の網の目をくぐったやり方といえます」(政治部記者)

そのため、ほぼ全裸の女性や風俗店案内、犬や猫の写真といった立候補者とは関係のない内容のポスターが貼られることに。今後の選挙ではそれをまねて、さらに過激なもの、ふざけたものが並ぶようになるだろう。

ついに〝日本人の劣化〟もここまできたかと思うと嘆かわしい。しかし、有権者をバカにしたこんなひどいカオスを許していいわけがない。

■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。

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