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勝負師たちの系譜 棋士編入試験に挑む西山朋佳女流三冠 第1局は寄せ切り勝利 第2局以降の差し回しに注目、平常心で指せるか楽しみな五番勝負

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月21日 15時0分

西山朋佳女流三冠が、7月4日、朝日杯将棋オープン戦で阿部光瑠七段戦に勝って、公式戦13勝7敗となり、棋士編入試験挑戦の権利を得た。

西山は午後の対局がまだあるのに、昼休みに事務局に行き、試験を受けることを表明したという。

前にも書いたが、棋士になるには奨励会で6級から上がっていき、三段リーグを抜けるのが普通のコース。

もう一つはアマ棋戦の成績上位者は、参加できるプロ棋戦がいくつかあり、公式戦で規定の成績を挙げれば、プロ棋士編入試験が受けられるという制度がある。

女流棋士も同じ制度が適用され、2年前に里見(現・福間)香奈女流五冠が試験を受けたが、残念ながら3連敗で失格となった。

さらにアマ戦の全国大会で優勝すると、三段リーグに入る試験を受けられる道があるが、三段リーグの厳しさはアマにも十分伝わっているらしく、こちらのコースを目指す人はほとんどいない。

西山は女流として2人目の挑戦者だが、福間以上に期待は大きい。

というのも西山は奨励会時代に三段リーグで、14勝4敗の成績を取ったことがあるからだ。

14勝は普通なら上がれる星で、1期で抜けた藤井聡太七冠でも、13勝だったのだ。しかも最後の相手は、西山だった。

西山は女流棋士一本に転じたが、いつか棋士になりたいという夢は諦めていなかったのだ。

試験は新四段の若い方から5人と指し、3勝すれば合格で、フリークラスの四段になれるというもの。

第1局は9月10日。相手はこの春四段になったばかりの高橋佑二郎四段(25)で、公式戦も6割を超えるスタートを切った俊英だ。

棋士の側は公式戦ではないが、負けると仲間に「大したことはないな」と思われるプレッシャーがある。

将棋は西山得意の三間飛車に対し、高橋は穴熊を見せた囲いから戦いが始まった。

高橋は手厚く指したつもりが、馬の活用法を誤って自陣が薄くなる展開を余儀なくされ、次第に西山の優勢がハッキリした。

終盤の切れ味に定評のある西山は、タダのところに角を打つ攻防の一手から、確実に寄せ切って、第1局を勝利した。

この勝負、西山の応援団の方が多いと思うが、第2局以降どんな指し回しを見せるか、そして試験の合格が見えてきたとき、平常心で指せるかが楽しみな五番勝負となった。

次は10月2日である。

■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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