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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 靖国神社落書き男、犯行理由を処理水放出への抗議と主張 しれっと幕引き図る中国、改めて世界に不当を発信するチャンス

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月12日 6時30分

中国外務省の毛寧副報道局長(夕刊フジ)

訪日中国人の男が、靖国神社(東京都千代田区)の石柱に「Toilet」と落書きし、あろうことか放尿する様子を、中国のSNSに投稿した事件。現在、警視庁が器物損壊の容疑で捜査をしていますが、男はすでに出国しているので、ほぞをかむ思いの方も多いと思います。

この動画が公開され、ネット上で話題になったのは1日の土曜日です。日曜日を経て月曜日には、帰国した男が動画を公開して、「拡大解釈はやめましょう。脳がダメージを受けます」などと意味シンな発言もしていました。

迷惑系ユーチューバーだそうですから、再生回数を増やすために勇ましい「反日」発言をして稼ぐのだろうと思っていました。なので、この「しおらしい」動画は、ちょっと意外でした。

中国メディアも、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の船長のように、「抗日」英雄と持ち上げるんだろうと思いましたが、静観していました。

中国外務省の毛寧副報道局長は3日の記者会見で、国外の自国民に対し、「現地の法令を順守し、理性的に要求を表明することを改めて促したい」と苦言を呈しました。一方、靖国神社については、「日本軍国主義が対外的に戦争を発動した精神的な象徴だ」と非難しました。論点ずらしで収拾を図りたい思いが透けてみえます。

どうして、及び腰なのかと思っていたら、上川陽子外相は4日の記者会見で、「外交ルートを通じ、中国政府に事案の発生に対する懸念を表明するとともに、中国国民に現地法令の順守、冷静な行動をとるよう注意喚起することを要請した」と発言しました。

日中間で水面下のやり取りがあったことを覗わせました。

ところが、件の男はこの動きに冷水を浴びせます。

日本メディアの取材に、「日本政府が核汚染水の排出を許可したことを知ってから、怒りが収まらない」などと、犯行理由は福島第1原発の処理水放出への抗議だと主張したのです。

この処理水放出については、国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致する」と評価するなど、世界中が認めています。

中国は昨年8月の放出開始直後、精華大学の「研究チーム」が240日後に中国に到達するというシミュレーションを発表するなど、さまざまな〝工作〟を行いました。ただ、国際世論は反応せず、中国には完全な負け戦でした。

唯一反応したのは自国の漁民たちで、今でも「もう期日を過ぎた! どうなっているんだ! このままじゃ生活が成り立たない!」などと抗議しているそうです。

仕方なく、中国政府は5月発表の海洋環境の報告書で、昨年の中国周辺海域の放射性物質濃度について、「異常は見られなかった」と明記していたと報じられました。

こうして、しれっと幕引きを図ろうとした矢先、落書き男が犯行の理由に処理水の話を持ち出してきたわけです。間が悪いとは、まさにこのことです。

われわれは粛々と男の引き渡しを求めるとともに、犯行理由も含めて、中国側の主張がいかに不当かを、改めて世界に発信するチャンスと捉えるべきです。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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