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日本の解き方 石破政権を苦しめる3つの〝BBS〟発言がブレにブレ、自分へのブーメランに かつて「党内野党」だった閣僚らにスキャンダルの懸念

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月9日 6時30分

(夕刊フジ)

石破茂首相はこれまで自民党内で非主流派として、「反安倍(晋三元首相)」の急先鋒(せんぽう)だった。このため、政権批判したいマスコミにとっては好都合の政治家だった。石破氏も、どのようなマスコミにも「安倍批判」であれば丁寧に対応してきた。これが「石破人気」の本質だろう。

いまは首相として主流派になった。相当な左派政権であるが、自民党なので政策転換するには相当な無理がある。

石破首相は総裁選の際、早期解散しない▽金利正常化(利上げ)▽金融所得課税の強化▽リニア中央新幹線反対▽原発ゼロ▽女系天皇否定せず▽選択的夫婦別姓賛成▽マイナ保険証は強制しない▽アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設―などと発言していた。

しかし、首相になると、早期解散する▽利上げしない▽原発推進▽投資立国(金融所得課税強化見送り)▽リニア推進▽原発推進▽女系天皇封印▽選択的夫婦別姓先送り▽マイナ保険証強制▽アジア版NATOは長期課題―と総裁選時と真逆のことを言っている。

以前は何も考えずに、当時の体制の批判をしていたとしか思えない。いざ自分が政策の推進側になったら、以前の自分の説明を続けられずに、意見を撤回したのだろう。まさに、ブレにブレまくっている。

これに翻弄されているのがマーケットだ。石破総裁が誕生した9月27日、それまで「金利正常化」と言っていたので、為替は円高に触れた。しかし、10月2日に日銀の植田和男総裁と会談した後、「追加利上げをする環境にない」と発言し、一転して円安になった。

9月27日に石破首相は民放番組に出て、「日銀は政府の子会社とは私は思っていない」と語り、政府が日銀に何か要請することはないとした。この発言も日銀総裁との会談であっさりと翻している。まったく、ブレまくりの石破首相だ。

このように発言の否定が続くと、「過去の石破氏」と「今の石破氏」というまったく異なる人が2人いるようだ。今の石破氏は過去の石破氏の否定になっているので、巨大ブーメランを受け続けていることになる。

「最低賃金1500円」という政策にはこだわりがあるようで、これまでのところブレていない。しかし、本コラムで指摘したように、実現は難しい。結局、石破首相は過去の自分を全否定することになるだろう。

さらに、石破政権には弱点がある。今回、石破首相を推した人は、過去の石破首相と同様に「党内野党」の人が多い。マスコミにはそれなりに重宝されるので、あまりあら探しの対象にならない。そもそもニュースバリューもないので記事にもならなかった。ところが、石破政権の閣僚になると、それなりのバリューも出てくるので、マスコミの餌食になりやすい。これまで「身体検査」も受けてこなかっただろうから、マスコミにとっては宝の山だろう。

事実上の選挙モードのなか、石破政権を「B(ブレる発言)」「B(ブーメラン)」「S(スキャンダル)」が直撃すれば、さらに多難な状況になりそうだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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