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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 80歳を超えても働きたい人が増加 目的はお金だけではなく「健康維持のため」「充実感ややりがいを得るため」など

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月29日 15時30分

(夕刊フジ)

ずっと現役で働きたいと願っていても、年齢を重ねるにつれ、身体のあちこちに不具合が生じます。人生100年時代といっても、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる「健康寿命」は、男性の場合72・68歳(2019年、厚生労働省)ですから、やはり70歳ぐらいが〝現役〟との一つの分かれ目になるでしょう。

ところが、マイナビが報道発表した「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2024年)」によると、「70歳を超えても働きたい」と考える人は増えているようです。

同調査では、現在アルバイト就業中の60代シニア層の46・7%が「70歳まで働きたい」と答え、35・5%が「70歳を超えても働きたい」と考えていることがわかりました。ちなみに、22年に実施した同じ調査では「70歳を超えても働きたい」は32・2%で、年々増えているということです。

驚きなのは、現在アルバイト就業中の70代シニア層の46・5%が「75歳まで働きたい」と答え、36・3%が「80歳まで働きたい」と答えていることです。さらに16・5%の人が「80歳を超えても働きたい」と答えています。

もはや健康寿命どころか、平均寿命(男性81・41歳)を超えても働きたい層が存在するわけです。この「80歳を超えても働きたい」と考える70代シニア層にその目的を聞いたところ、やはりトップは「家族の生活費のため」(26・7%)。続いて「自分の生活費のため」(21・1%)でした。

しかし、目的はお金だけではありません。「健康維持のため」(17・2%)や「充実感ややりがいを得るため」(16・9%)も少なくない回答数です。やはり、「毎日何かすることがある」「毎日行くところがある」というリズムをつくるには、「働くところがあること」は大事な要素でしょう。

しかし働く意志があっても、そう簡単に仕事が見つかるわけではありません。同調査では、現在アルバイト就業中の60―70代シニア層に「仕事探しをする際、年齢の壁を感じたか」と聞いており、41・9%が「年齢の壁を感じた」と答えています。そして、その理由として61・6%が「応募できる求人の数が減ったから」と回答しています。

探す段階から案件が見つけにくくなっているわけです。しかも、運良く案件を見つけて応募しても「書類選考に通過しにくくなった」という答えが23・5%。定年世代にはつらい現実です。

いずれにしても、60―70代どころか80代になっても働き続けたい人は確実に増えています。しかし、その意志に反して、定年世代の再就職は容易ではないようです。

もちろん、十分に蓄財し、退職しても働く必要のない人もいるでしょう。とはいえ、先の見えない時代です。今後、年金もどうなるかわかりません。やはり何らかのフロー収入は確保しておきたいものです。

その方法は人によってさまざまでしょうが、見つからない人は、不満があっても、現在所属する会社で何とかして長く働き続けることが最善かもしれません。

■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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