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ニュース裏表 田中秀臣 財務省・日銀「緊縮コンビ」に勝てるのは誰か 自民総裁選と経済政策、ヒントは第2次安倍晋三政権にあり

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月27日 11時0分

自民党総裁選が盛り上がってきた。連日のようにニュース番組や新聞では候補者の動静を伝えている。報道をみると、「誰が誰を推している」といった人間関係や、候補者の人となりに焦点が行っている場合が多い。

だが重要なのはもちろん政策だ。特に日銀の植田和男総裁が追加利上げを示唆したことを発端とした「植田ショック」という株価の大暴落や、最低でも10兆円を超す総需要不足など日本経済は不安定な状況にある。経済政策の舵をどうとるのか、そこに次の政権を担うものの重大な使命がある。

現状の日本経済に必要な経済政策は一言でいえば、私たちの可処分所得を増やし、消費や投資が増え、デフレと完全に無縁になる安定した経済を目指すことだ。そのためには積極財政と金融緩和の組み合わせで取り組まなくてはいけない。財政政策は、減税や公共事業の拡大だ。金融政策はインフレ目標を達成するために量的緩和政策を復活させるべきだ。

だが現実には、財務省は減税については全否定だ。むしろ今年実施した定額減税の「損失」を、「ステルス増税」を含めた負担増で取り返そうとしている。今年度の補正予算もおそらく最低限のものでしかないだろう。また植田日銀は、株価が安定すれば、すぐにでも利上げをしそうである。アベノミクスの遺産を徹底的に破壊し、長期デフレをもたらした「古い日銀」が復活している。

財務省と日銀の「緊縮コンビ」に打ち勝つにはどうしたらいいだろうか。そのヒントは第2次安倍晋三政権にある。安倍政権は経産省の官僚を重用し、財務官僚は傍流だった。もし次の首相が財務省の緊縮政策に本気で闘うならば、安倍政権をまねするのが一案だ。簡単にいえば、官邸からの財務省外しだ。もちろん官僚組織は腐敗しがちだ。経産省も例外ではなく、巧みなコントロールが重要だろう。

日銀については、経済財政諮問会議を活用するのが手だ。日銀総裁は会議に出る義務がある。その場でインフレ目標の達成までの利上げ凍結を約束させるべきだ。同時に日銀法の改正を進めることも必要だ。条文には「雇用の最大化」を盛り込み、銀行への余計な配慮を削るべきだ。日銀法改正が実現した段階で、植田総裁ら「古い日銀派」はお引き取り願おう。

これを実現できるのは、どんな人だろうか。少なくとも「岸田文雄政権の経済政策を引き継ぐ」とだけ言っている候補は失格だ。「若手」とか「世代交代」だとかでだまされてはいけない。〝ザイム真理教〟の使徒である可能性が高い。また「利上げ」を主張している総裁候補もまずい。日本経済を破綻させるセンスの持ち主だ。

以上の観点は、自民党だけの話ではない。与野党問わずすべての政治家に当てはまる。国民の生活が分からない人が国のトップにつくべきではないのだ。(上武大学教授 田中秀臣)

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