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トップ直撃 テルモ・鮫島光社長 次の100年に向けた価値の創出と成長へ 医療機器の最大市場・米国での地位をさらに高める

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月17日 11時0分

テルモの鮫島光社長(夕刊フジ)

テルモは2021年に創立100周年を迎えた。体温計などでなじみ深いが、医療機器・医薬品の製造販売を行うグローバル企業だ。企業理念「医療を通じて社会に貢献する」のもと、160以上の国と地域で事業を展開し、3万人以上のアソシエイト(社員)が活躍する。鮫島光社長(60)は「次の100年に向けて、医療現場や患者さんにどのような新しい価値を提供できるか日々考えています」と話す。

――3つのカンパニーで事業を展開しています

「心臓血管カンパニーでは、心臓や脳の血管にカテーテルを通して治療を行う血管内治療関連デバイスや、人工肺や人工心肺装置、人工血管などを提供しています。人間の生命活動を支える心臓・肺、全身の血管の病気の治療に関わる事業を展開しており、売上高の約6割を占めています」

――他のカンパニーは

「メディカルケアソリューションズカンパニーは、医療に関わるすべての人に『やさしい医療』を提供することを目指しています。輸液バッグなどの医療現場向け製品から、一般の方が手にするような糖尿病関連製品まで広く扱っています。血液・細胞テクノロジーカンパニーは世界中の血液センターと提携し、血液バッグや血液製剤を製造するための機器を提供するとともに、細胞治療の分野でも新たな治療法の創出を支援しています」

――業績が好調です

「2025年3月期の連結業績予想で、当期利益が過去最高の1245億円、売上高は初めて1兆円を超える見通しです。カテーテルなど主力の心臓血管治療製品の販売が伸びていることなどが要因です。製薬企業向けの薬剤投与機器などを扱うファーマシューティカルソリューション事業、血液・細胞テクノロジー事業が順調に推移し、地域別では米国が特に好調です。この20年ほどで多角化とグローバル化が進みました」

――売上高の海外比率は約8割です

「私が入社した02年時点では、売上高の7割が国内でしたが、現在は海外が約8割を占めています。今後の事業展開のポイントは、医療機器の最大市場である米国での地位をさらに高めていくことです。市場が拡大している中国、インドでの事業も強化していきたいと思っています」

――コロナ禍では医療現場への貢献に改めて注目が集まりました

「新型コロナウイルスの感染拡大で社会の不安が高まる中、ワクチンを打つときの注射器や注射針、感染対策関連製品の供給に力を注ぎました。人工呼吸器では対応が難しい重症患者に使われるECMO(体外式膜型人工肺)を増産して対応しました。『医療を通じて社会に貢献する』いう企業理念を体現し、多くのアソシエイト(社員)が頑張ってくれました」

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