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経営者目線 焼肉店倒産急増の中「ワタミ攻めの新戦略」 「築地牛武」オーナー大募集

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月18日 11時0分

1号店は練馬駅徒歩3分にオープンした(夕刊フジ)

外食業界では、焼肉店の倒産急増が大きなニュースとなっている。帝国データバンクによると、2024年は過去最多ペースとなり、倒産寸前の赤字の焼肉店も多いという。

一番の理由は肉の仕入れ価格の高騰だ。円安で輸入牛の価格があがり、和牛も飼料代があがっている影響を受けている。肉の仕入れというのは、見極めや、安定調達がかなり難しい。個人店の多くは、卸し業者や、目利きの肉問屋といった、間を挟んで肉を仕入れており、その業者の値上げ分も重しとなる。

しかし、消費者も物価高で苦しんでおり、これ以上の価格転嫁は難しい。中小の焼肉店は完全に我慢比べだと思う。大手焼肉チェーンなどは、肉の仕入れに圧倒的な強みがある。ワタミも焼肉事業に参入するとき、日本最大級の和牛生産者と提携し、間に業者を挟まず、肉を仕入れるルートを確立した。

ファミリー向けの和牛食べ放題「かみむら牧場」と、駅前立地でお酒も楽しめる「焼肉の和民」を展開しているが、もう一段、焼肉で勝負をしかける。

先月28日、A5ランクの和牛をリーズナブルに提供する街焼肉のお店「築地牛武」を東京・練馬にオープンした。同じブランド名で、築地場外市場で、A5ランクの和牛串を外国観光客に向けて販売しているが、連日大盛況だ。

次は国内の人に、A5ランクのなかでも最上級の肉質のみを厳選した「薩摩牛4%の奇跡」を、お手頃価格で食べてもらいたい。和牛上カルビは768円(税込)という価格を実現した。何よりこの店は、フランチャイズで広めていきたいと考えている。

焼肉業界が逆風の中、個人店や中小の焼肉店オーナーに、ワタミの仕入れ力を利用して、街の焼肉店を経営してほしい。内装も低投資にこだわった。今現在、個人で焼肉店を経営している場合、看板変更のみで営業できるモデルだ。フランチャイズ経営に興味のある方はぜひワタミのホームページから問い合わせをしていただきたい。

焼肉店は本来、個人店の方が強みを持つ。それぞれがお店で肉を手切りし、お客さんにおいしい食べ方を提案する。そうした世界観を大事にしたい。季節の生キムチ、牛骨カルビスープ、檸檬(れもん)冷麺といったサイドメニューもしっかりとこだわっている。

さらにこの夏、北海道のワタミファーム美幌峠牧場を訪れ、「和民和牛」という自社ブランドの和牛を手掛けることを決めた。放牧酪農でのびのび育っているワタミファームの乳牛から生まれた子牛を、提携する畜産会社で肥育してもらい、ワタミグループの焼肉店で販売する。名実ともに「ワタミの和牛」となる。それをアメリカ本土に進出する、ワタミの焼肉店でメニューにすれば、円安時代でも、強い経営が実現できる。

円安、物価高の中「待ち」の姿勢では、逆風のままだが「攻め」の姿勢だと、わくわくする勝負はいくらでもある。ワタミの焼肉事業は、〝モー烈〟経営でいきたい。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO・渡邉美樹)

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