こだわりの極意 牛鍋＆白メシは最強の組み合わせ！ 食べる前から圧倒〝食の文化遺産〟明治１９年創業、牛鍋専門店「米久本店」

完全なる食の文化遺産、本当に最高でした！

東京・浅草ひさご商店街に、突如現れる超老舗牛鍋専門店「米久本店」！　〝よねきゅう〟と読みます。

店構えからしてむちゃくちゃ雰囲気のある、このお店。提灯、そしてガラガラと開ける戸も含め、明治大正昭和にタイムスリップしたような気分にさせてくれる。

午後６時ちょっと前に行ったところ、ほかに順番待ちの客もいなかったので、すぐに暖簾をくぐって店内に入れば、〝ドドン〟と和太鼓で迎えられた。日本人である僕でさえ外国人と同じように気持ちがはしゃぐ！

椅子席か座敷かを聞かれ、椅子席と答えれば一番奥の小部屋に通された。

歩を進めれば廊下の赤いじゅうたんがまた懐かしい。「冷房をつけたばっかりだから、いま暑いけどすぐ効いてきますから」という女性店員の言葉に、友達のお母さんと話してるような感覚になる。

食べログを見れば、明治１９年創業とのこと！　すげ～、もう１４０年近くやってるんだ！？　なんて食べる前から圧倒されてしまう。

ひとまず生ビールを頼んで、グビっと落ち着かせると、牛鍋は「トク」か「上」かと尋ねられたので、どうせ後で肉は追加するだろうからと思い、「上」の牛鍋を頼んで待つこと数分。

野菜、そして肉が運ばれてきた！　え、これで上！　すんげえーいい肉じゃん！　最初だけは、そろいのユニホーム姿の女性が作ってくれるんですが、浅い小さめの鉄鍋なんで、すぐにグツグツと出来上がる。それを溶いた卵にドボっとくぐらせ、パクリといけば、ウヒョ～、たまらねえ～！

すかさず冷え冷えの「桜政宗クールチェリー」を頼んで、牛肉をハフハフごくりとすれば、最高のマリアージュ。

でも待てよ、これはなんか足りないぞ。で、白メシを頼んで牛肉、しらたき、ネギをタレごと乗っけてかっ込めば、ぎゃー、こりゃ最強だ！

さらに甘辛の割り下がシミシミの豆腐を白メシにのっけってザザーっと口に流し込めば、あっちゅう間に一杯目を食い上げ、即おかわり。これは止まらない。

結局、肉は上・トク・上の３皿おかわり。野菜も２回転。あ～大満足！　お腹いっぱい。お勘定を済ませて外へ出れば、食べ終わったばかりなのにもう食べたくなってる！　ほんとうに素晴らしい店です。

現在、予約は受け付けてないので到着順ですが、並んだとしても、それもまた風情がありますよ。ごちそうさまでした！　＝火曜日掲載

■髙嶋政宏（たかしま・まさひろ）　俳優。１９６５年１０月２９日生まれ。東京都出身。８７年、俳優デビュー。Ｎｅｔｆｌｉｘ「トークサバイバー２」に大統領役で出演している。

映画では７月１２日公開「ＫＩＮＧＤＯＭ　大将軍の帰還」、７月２６日公開「もしも徳川家康が総理大臣になったら」、８月９日公開「新米記者トロッ子　私がやらねば誰がやる！」に相次いで出演する。

「米久本店」は東京都台東区浅草２の１７の１０。