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舟木一夫 出会いと別れの80年 大物映画スターはテレビに出ないという〝常識〟が破られた瞬間 長谷川一夫、1964年のNHK大河「赤穂浪士」出演

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月4日 6時30分

(左から)長谷川の孫のかずき、娘の稀世とともに墓前を訪れた舟木一夫(夕刊フジ)

1964年のNHK大河ドラマ「赤穂浪士」で大映の看板俳優・長谷川一夫を大石内蔵助役に担ぎ出すため、NHKは「電気紙芝居には出せない」と強硬な大映の永田雅一社長のもとに芸能局長を足しげく通わせ、やっと口説き落とした。大物映画スターはテレビに出ないという〝常識〟が破られた瞬間だった。

そんな大河ドラマの矢頭右衛門七役に歌手デビューして半年の舟木一夫が大抜擢された。マスコミは56歳のベテラン長谷川と20歳の新人舟木の〝2人の一夫〟の出演とはやし立てた。

このドラマで堀田隼人役で出演した林与一が、長谷川の〝付き人〟をしていたことから、長谷川は林に「あの子(舟木)、時代劇は初めてのようだから、困ったら教えてあげてや」と話し、気を配っていたという。

舟木はその後、東京・明治座などの座長公演を務めることになり、実際の化粧法やカツラについての教えを乞おうと、長谷川が出演中の東京宝塚劇場に出向き、楽屋に入れてもらった。

長谷川は黙って鏡に向かって化粧を始め、開演前に「そいじゃ行ってくるから」と言って、出て行った。後で弟子が「先生はどんな方でも『顔を作るからゴメンね』と言って楽屋から出ていってもらうんですが…」と明かした。舟木はその後も長谷川から時代劇のイロハを教わった。

ある時、長谷川が歌番組で「高校三年生」を歌うことになり、舟木に「歌っている間は横に付いていて」と頼んだ。リハーサルでは「歌い出しのタイミングで肩をチョンとたたいてくれる」と言われ、本番は指示通りにやって感謝された。

そんな縁で長谷川の次女の女優、長谷川稀世、その娘の女優、長谷川かずきと三代にわたって舟木の座長公演で何度も共演することになった。

舟木は2017年12月、芸能生活55周年記念として、東京・新橋演舞場で「忠臣蔵」(昼の部~花の巻、夜の部~雪の巻)を舞台に乗せ、大石内蔵助を演じた。吉良上野介は林与一だった。 =敬称略 (大倉明)

■舟木一夫(ふなき・かずお)歌手。1944年12月12日生まれ、79歳。愛知県出身。63年6月、「高校三年生」でデビュー。橋幸夫、西郷輝彦とともに〝御三家〟と呼ばれ、人気を集めた。歌手だけでなく、ドラマや映画などで活躍してきた。ツアー「コンサート2024」を開催中で、10月22日に大阪・フェスティバルホール、同月23日に神戸国際会館・こくさいホール、11月6日に東京・渋谷の「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂)を予定している。

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