株式フジ 自民党総裁選、投資家が望む候補者は？ 進次郎氏＝やや株高、石破氏＝株安、高市氏＝株高の様相 防衛に絡む銘柄に注目

自民党総裁選の投開票日（27日）直前です。投資家の関心は、新たな総裁・総理によって政治に刷新感が出て、新政策が株式市場の追い風となり、7月11日の日経平均史上最高値4万2224円を更新することでしょう。とくに、海外投資家に評価されることが重要です。

直近に実施された報道各社の調査結果を見ると、次の自民党総裁にふさわしい候補者として、すべての調査で高市早苗経済安全保障担当相、小泉進次郎元環境相、石破茂元自民党幹事長の3氏が上位に挙がっています。この中から新総裁が選出されるのは間違いないでしょう。

高市氏は経済対策として「戦略的（積極的）な財政出動」を掲げ、加えて金融緩和を続けるべきとしています。アベノミクスによって株価を押し上げた故安倍晋三元首相にも近い存在ということから、株式市場ではもっとも歓迎される候補といえそうです。

初の女性首相という面から刷新感も申し分なく、遠くない時期に想定される総選挙の顔になり得るでしょう。株価上昇を期待させます。半面、中国などとの関係は厳しいものになりそうですが、株式市場の関心はなによりも経済です。

小泉氏は経済対策として物価高対策（低所得者や中小企業への支援）を掲げ、細かな政策として、解雇規制の見直しやライドシェアの完全解禁を掲げています。一部の政策関連銘柄にはフォローとなる可能性はあるものの、日経平均を高値に導くほどのインパクトには欠ける印象です。

石破氏は、物価高や金利上昇などへの対応のため経済対策を実施するとしていますが、半面で、金融所得税や法人税の増税を将来的に実施することを示唆しており、投資家を失望させています。過去に増税によって日本経済が停滞したことは「定説」ですので、最も投資家受けが悪い候補です。

高市＝株高、小泉＝やや株高、石破＝株安といったところでしょう。投資家が望むのは株高＝高市候補が当選することです。

防衛に絡む銘柄「三菱重工業」「川崎重工業」注目

高市候補当選の折には多くの銘柄の株価上昇が想定されますが、とくに高市氏が力を入れている防衛に絡む銘柄、「三菱重工業（7011）」や「川崎重工業（7012）」などがまず注目されます。つれて全体相場活況となれば日経平均寄与度が高い「ファーストリテイリング（9983）」がさらなる高値に進むことになるでしょう。詳しくは27日発行の「天海通信」（ダウンロード版／CD版）のほか私のHPなどをご覧ください。　（株式ジャーナリスト・天海源一郎）