1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

仲新城誠 沖縄が危ない! 「オール沖縄」重要選挙で大敗 県政の「反基地イデオロギー」終焉へ 辺野古移設反対は「絵空事」衆院選でジレンマに

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月12日 10時0分

沖縄で6月と9月、玉城デニー県政の今後を占う重要選挙があった。知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力がいずれも大敗し、「反基地イデオロギー県政」は終焉(しゅうえん)に向かっていると強く感じた。

6月の県議選で「オール沖縄」勢力は48議席中20議席にとどまった。改選前の24議席から大きく後退し、辺野古移設を容認する自民党中心の野党が多数派となった。

辺野古移設をめぐり、県は国と法廷闘争を繰り広げてきたが、県議会の承認がないと新たな裁判は起こせない。移設反対の発信などを目的に、県が米国に設置しているワシントン事務所も、存続が認められなくなる公算が大きくなった。

玉城知事は今後、辺野古移設阻止に向けた方策をほぼ完全に封じられる。辺野古に限らず、知事肝いりの重要政策も、自民党など野党の理解がなければ実行できない。事実上、県政は「レームダック(死に体)化」する。

「オール沖縄」勢力の主な敗因は、辺野古移設工事が進展し、選挙で移設の是非を争点化できなくなったことだ。

「オール沖縄」勢力がいくら反対を訴えても、目の前で辺野古沿岸が埋め立てられている中ではリアリティーを欠く。有権者の関心は米軍基地問題から、物価高や子の貧困といった経済、福祉問題へシフトした。

県議選に続き、普天間飛行場を抱える宜野湾市で9月に市長選が行われた。「オール沖縄」勢力の候補者はついに、選挙戦で「辺野古」にほとんど触れず、経済、福祉問題を中心に訴えるという戦略を取った。

「オール沖縄」勢力の全盛期、辺野古移設を容認する自民党の候補は県民の反発を恐れ、選挙で「辺野古」に言及することを避けていた。当時「オール沖縄」勢力や沖縄メディアは自民党の姿勢を「辺野古隠し」と呼んで激しく批判したものだ。

ところが、宜野湾市長選では、皮肉にも「オール沖縄」勢力の方が「辺野古隠し」に走った。だが、ご都合主義の沖縄メディアは、こうした変わり身の早さを疑問視もせずスルーした。

市長選は、自民党などが推薦する元職の佐喜真淳氏が圧勝した。辺野古移設の是非が争点にならなければ勝てない、という「オール沖縄」の弱点が改めて露呈された。

10・27衆院選でジレンマ

10月27日に衆院選が投開票される。「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を掲げれば有権者から絵空事とみなされ、経済や福祉に重点を置けば自民党に後れを取る、というジレンマに直面する。

「オール沖縄」に支えられる玉城知事も、現在の反基地一辺倒の姿勢を転換しない限り、2年後の知事選で当選は困難だろう。イデオロギー優先で政治を進める時代は終わったのだ。

■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください