旧安倍派〝生贄〟石破首相、裏金議員を非公認 比例重複認めず 支持率伸び悩み「変節」自民党「このままでは分裂は決定的」
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月7日 11時45分
ある党関係者は「党執行部の一存で、恣意(しい)的に処分が右往左往している。国民は、ガバナンスが崩壊して支持率も壊滅状態だった岸田政権と、石破新政権をより一体的に見るようになる」と危機感を示す。
今回の決定を受け、石破首相と、党四役の森山氏、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政務調査会長、小泉氏も、重複立候補をしないことが決まったが、「お茶を濁しただけ」(保守系議員)と怒りの声があがっている。
有馬氏「このままでは分裂は決定的だ」
もともと、裏金事件を〝再炎上〟させたのは石破首相自身だ。
左派野党やメディアの追及を受け、総裁選で、石破首相が「非公認」など追加処分を示唆したのに対し、第1回投票でトップだった高市早苗前経済安保相は「党処分は下された。総裁が代わったら、積み重ねた党内議論を無視してちゃぶ台返しをしたら『独裁』だ」と懸念を示していた。
石破首相は総裁選後、裏金事件への対応を棚上げにしていた。
ところが、一連の人事が「論功行賞」「リベラル重用・保守派外し」という色彩が強かったうえ、安倍氏を「国賊」と罵倒した村上誠一郎氏を総務相に抜擢(ばってき)するなどしたためか、報道機関の世論調査では期待した「ご祝儀」はなかった。
日経新聞・テレビ東京が1、2両日に実施した緊急世論調査では、石破内閣の支持率が51%と、現行の調査方式を導入した2002年以降、内閣発足時の支持率として最低となった。
世論の逆風に恐れ慄いて、次期衆院選で決定的敗北を避けるため、「政治とカネ」の問題を引っ張り出して、旧安倍派を「生贄」「人柱」に差し出したとの見方が強まっている。
今回の方針について、野党からも厳しい声があがっている。
立憲民主党の野田佳彦代表は「(結局は)大半が公認される仕組みではないか。国民の理解を得られることはない」と突き放した。
世論の逆風で党処分を追加するリーダーに、厳しい外交交渉などできるのか。旧安倍派を差し出したように、国民が犠牲にならないか。石破首相の決定の背景には何があったのか。
政治評論家の有馬晴海氏は「石破首相は持論だったはずの政策が次々と大甘になり、党がもたないとの判断にかたむいたのだろう。総裁選後の党はノーサイドにならなかった。安倍氏はかつて、総裁選で競り合った石破首相を幹事長に抜擢(ばってき)したが、石破首相は同様に競り合った高市氏を幹事長に起用しなかった。このままでは分裂は決定的だ」と分析した。
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