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日本の解き方 防衛増税はこうやれば止まる 少数与党の好機生かすべきだ、国会で「熟議」を どの政党が反対なのか…参院選への参考材料に

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月17日 11時0分

令和6年度補正予算案を可決した衆院本会議 =12日午後(春名中撮影)(夕刊フジ)

防衛増税をめぐり、その財源とされる法人、所得、たばこの3税の増税実施時期などに関する政府案が報じられた。

法人税は2026年4月から税額に税率4%を付加する「防衛特別法人税(仮称)」を新設する。所得税については税額に1%を付加する「防衛特別所得税(同)」を新設し、復興特別所得税の税率は1%引き下げる。実施時期の決定は先送りした。たばこ税は、26年4月から加熱式たばこの税率を引き上げて紙巻きたばこにそろえ、たばこ全体の税率を29年4月にかけて3回に分けて1本当たり計1・5円引き上げるという。

筆者は23年4月28日、衆院財務金融委員会と安全保障委員会の連合審査会において参考人として意見陳述を行った。その中で、具体的な財源と具体的な金額(建設国債、国債整理基金、外国為替基金特別会計など)を示し、「防衛増税は不要である」と主張した。

財源の分かりやすい例として、「防衛国債の拡充」がある。これまで海上保安庁の船舶は建設国債で作られていたが、安倍晋三元首相は「防衛予算にも建設国債が充てられないのはおかしい」と問題提起し、23年度から防衛予算のうち海上自衛隊の船舶は建設国債が充てられるようになった。

防衛国債の拡充とは、具体的には現状、海自が対象となっているのを陸上自衛隊と航空自衛隊に拡大することだ。

防衛増税を中止するには、来年国会に提出される予算総則の一部を書き換え、同時に提出される各税法案の中で、当該増税部分を全文削除するだけでいい。

現在は少数与党なので、野党の皆さんにとって、これは来年度予算修正のネタができたと喜ぶべきだ。筆者としては、来年の国会が楽しみが一つ増えたと言ってもいい。

そもそも、予算は本来国会で議論すべきものだ。これまで与党が衆院の過半数を取っていたので、財務省が立案したものをよく分からず、与党が是認してきたことがおかしい。

「よく分からず」というと、言い過ぎかもしれないが、財務省や主務官庁から、地元向けの予算の箇所付け(具体的な公共事業などへの予算配分)をもらって、有頂天になっている国会議員がいかに多いことか。それだけで予算を作っているつもりの情けない国会議員が多すぎる。もう少し、国防を題材にして天下国家を論じないと国会議員の名が廃るというものだ。

少数与党というせっかくのチャンスであるので、財務省の中で作成され、国会が〝判を押す〟だけの予算ではなく、国会で正々堂々と議論して、「熟議」の末での予算をぜひ作ってもらいたい。そうすれば、どの政党が防衛増税に反対なのか、国民の目にも明らかになり、来たる参院選への参考材料にもなる。

財政法によれば、財務省の役割は政府案を作って閣議決定するまでだ。政府案はあくまでドラフト(たたき台)に過ぎず、それを国会で国民のために修正するのが民主主義だ。それは国権の最高機関たる国会を構成する国会議員の責務でもある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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