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日本の解き方 都知事選に見る立憲民主党と野党共闘の行方 蓮舫氏の敗因、共産党と組むと浮動票が取れず 投票数は小池氏の半分未満に

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月17日 11時0分

東京都知事選では立憲民主党と共産党の共闘は奏功しなかった。9月には立憲民主党代表選が行われるが、次期衆院選も見据えて、日本維新の会や国民民主党など他の野党を含めた共闘路線はどうなるだろうか。

4月の衆院東京15区補選では、自民党と公明党から有力候補が出馬しなかったので、立憲民主党と共産党の共闘はうまく行った。しかし、都知事選(7日投開票)の結果は、立憲民主党に大きな打撃となった。蓮舫氏の投票数は約128万票と小池百合子都知事の291万票の半分に満たず、3位になったのが痛かったようだ。

前回の本コラムを読んでもらえれば分かるように、これは筆者の予測どおりであり、驚くことでもない。むしろ、このような簡単な予測すらできないくらい現状を認識していないのかと、立憲民主党の現状分析の方が驚きだ。

筆者のモデルでは簡単な解を出しているが、蓮舫氏の敗因は共産党と組んだために浮動票が取れなかったことに尽きる。結局、蓮舫氏の獲得票は自身の基礎票と共産党の基礎票でほとんど説明できてしまった。小池氏のように、個人の基礎票と自公の基礎票に加えて浮動票も獲得できる候補者にはまったく歯が立たない。

基礎票が有利に働くのは投票率が低いときだが、仮に戦後最低となった1987年の投票率43・19%であっても、蓮舫氏は小池氏に勝てなかっただろう。というのは、低投票率で基礎票の勝負になっても小池氏の方に分があるからだ。

逆に投票率が高くなれば、今回のように浮動票に依存する石丸伸二氏が伸び、蓮舫氏を凌ぐ。ただし、小池氏も浮動票から一定の票を獲得できるため、石丸氏が小池氏に勝つことはできない。

小池氏は、このように基礎票と浮動票の2つのパワーを持つので、どのような展開になっても勝てただろう。

次期衆院選では、立憲民主党はどうしたらいいのだろうか。

選挙区は小選挙区であるが、小池氏のようなスーパー候補ばかりではないので、選挙区によってはその特性に応じて、野党共闘があれば、勝つ確率は高まるだろう。

維新や国民民主などの方が浮動票を獲得できる可能性は広がるので、もしできるのであれば、立憲民主党にとって野党共闘は望ましい。ただし、この話は政策抜きの単なる選挙戦術なので、よほど政策調整をしないと「選挙目当ての単なる野合」という批判にさらされるかもしれない。

特に、世間の関心を集めている安全保障政策で、今の立憲民主党は、改憲を掲げる維新や国民民主と組むのはかなり困難だろう。「日米安保破棄」や「自衛隊解消」の共産党と組みやすいというイメージがある。

いずれにしても、他の野党との共闘路線は成功確率はそれほど高くない。結局、立憲民主党自身が浮動票をつかむか、浮動票をつかめる候補者をどれだけ発掘できるかにかかってくるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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