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北方領土〝強行上陸〟か 公式訪問中のプーチン大統領、中国に続く挑発に厳重警戒 日本政府、抑止策検討も有効打なし

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月3日 11時30分

プーチン氏が、北方領土訪問を模索する狙いは何か。

ロシアの外交・安全保障に詳しい笹川平和財団の畔蒜(あびる)泰助上席研究員は「プーチン氏の『日露関係は現状のままでいいのか』という揺さぶりだ。2022年のウクライナ侵攻以後、日本の対露政策に対するいらだちもあるだろう」と分析する。

畔蒜氏「日露関係『対話のチャンネル』維持が必要」

訪問が現実化すれば、どのような影響があるのか。

畔蒜氏は「平和条約交渉はさらに難しい段階になる。択捉島、国後島には、ロシア高官がこれまでも上陸している。ロシア側に両島を返還する意志はない。一方、歯舞群島、色丹島に上陸するなら、『歯舞群島および色丹島を日本国に引き渡すことに同意する』とした1956年の日ソ共同宣言の意義にまで立ち返ることになる。対日批判のメッセージ性がさらに強くなる」とみる。

ロシアと中国の連携を懸念する分析もある。

長崎県五島市の男女群島の南東沖上空の領空内で先月26日、中国軍機による領空侵犯が初めて確認された。同31日には、中国海軍の測量艦が、鹿児島県の口永良部島南西で日本領海に侵入した。

外交関係者は「プーチン氏は自身や国家の〝威信〟を高めたい。中国も、台湾と日本への圧力を強めたい。米大統領選が本格化し、日本では自民党総裁選が行われる。日米の政治的空白が生じうるタイミングで、露中が外交・軍事的『仕掛け』に打って出る恐れがある」と分析する。

実際、ロシアは2日、色丹島の周辺海域で、3日から長期間の射撃訓練を行うと通告してきた。ロシアは北方領土での紛争を想定し、大規模な軍事演習を頻繁に行っている。

自民党総裁選は、12日告示まで10日となり、「ポスト岸田」候補による出馬を正式表明する記者会見のピークを今週迎える。新首相となる新総裁には、中国やロシア、北朝鮮による軍事的・外交的圧力に毅然(きぜん)と対峙する能力と覚悟が求められる。単なる人気投票でリーダーを選べば、国民の生命と財産は守れない。

前出の畔蒜氏は「日本としては、米国をはじめとするG7(先進7カ国)諸国と歩調を合わせ、ウクライナ支援を継続させながらも、中長期的な日露関係を見据えた場合、別の方向で『対話のチャンネル』を維持しておく必要はあるのではないか」と語った。

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