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天野秀夫 中小型厳選株 決算発表が一巡、内容を手掛かりとした選別株物色が展開 「名村造船所」の人気相場継続へ 第1四半期好調で通期増額の期待高まる

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月15日 15時30分

8月の東京株式市場は歴史に残るスタートとなりました。日経平均は前週5日に過去最大の下げ幅4421円28銭安で始まり、翌6日は3217円4銭高と過去最大の上げ幅を記録し、週間では4週連続安となりながらも884円70銭安に下落幅を縮小させました。ただ、1日あたりの日中の日経平均高値と安値からみた振幅の幅は、6日が2834円、7日が2110円、8日が1172円、9日が1225円と大きな変動が続いており、乱高下が落ち着くには、まだ日柄が掛かりそうなムードです。

日銀の金融政策決定会合での政策金利の引き上げを受けた急速な為替の円高転換と、米国のリセッション(景気後退懸念)が波乱相場の引き金を引いた形です。当面は、為替動向と米国の経済・労働指標の発表内容を注視する展開となりそうです。来週22日から3日間にわたり米国で、世界の中央銀行総裁や財務大臣、金融市場関係者が参加する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催されます。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長による講演が予定されており、米国の9月利下げを占う意味でも、その発言内容が為替の動向とともに注目されます。

日米ともに決算発表が一巡しました。波乱相場の中でも上方修正など好決算を発表した銘柄の個別株物色は展開されました。ここからは、決算内容を手掛かりとした選別株物色が展開されてくることになります。

東証スタンダード市場の「名村造船所」(7014)が先高観を膨らませてきました。相場の波乱時には商いができる高い流動性を持つ好業績銘柄に買い安心感があり、同社株はその視点にピタリとマッチします。

8日大引け後に発表した今2025年3月期第1四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比33・4%増の397億6000万円、営業利益は同2・9倍の86億1400万円の高い利益変化率でした。期初の前期比9・6%増収、9・1%営業増益の通期予想と年間配当30円予想は据え置きましたが、第1四半期時点での通期営業利益見込み180億円に対する進捗率は47・8%の高水準に達し、通期増額修正の期待が意識される展開です。この好決算を受けた9日には、前日比300円高の1721円とストップ高比例配分をマークしています。前期は11月の第2四半期(4~9月)連結決算の発表と同時に、期初の減益予想から一転して大幅増益となる通期の増額修正と配当予想を発表していました。

従来の大型船主体の建造から、船価改善が比較的早く、原価に占める鋼材費率が低い船型の大量連続建造に経営戦略方針を転換したことが収益拡大につながっていること注目されます。また、グループ企業で国内艦艇や巡視船の修繕船事業を手掛ける「佐世保重工業」と「函館どつく」の業績も好調で、新造船事業と合わせて受注残高が積み上がっています。防衛関連テーマの側面も持ち合わせており、人気持続が有望な銘柄です。

■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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