知っておくと100倍楽しい 大河「べらぼう」キーパーソン 平賀源内、早すぎた天才は有名な男色家だった 安田顕は今に伝わる肖像画にそっくりで驚き
zakzak by夕刊フジ / 2025年1月23日 6時30分
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では、若き日の蔦屋重三郎(横浜流星)がさまざまな才人、奇人に出会う。平賀源内(安田顕)もその一人。安田顕は今に伝わる源内の肖像画にそっくりで驚いた。頭の回転と同じくらい早口で、天才ぶりが出ている。
蔦重は、源内に振り回される。吉原のガイドブック「吉原細見」の序文を書いてもらおうと、源内を探すが見つからず、仕方なく源内の知り合いという男を接待したところ、実はそれこそが源内本人!
源内は有名な男色で、蔦重に「よく見るといい男」とにじり寄ってくる。源内の心には、亡き恋人、瀬川菊之丞の思い出が…。人をからかったり、涙ぐんだり、忙しい源内だが、序文はしっかり書いてくれた。
史実によると、源内は故郷の高松藩を出て、宝暦11(1761)年には伊豆で下剤原料芒硝を採取。その後、秩父中津川山中で石綿を発見し、燃えない布「火浣布」を幕府に献上。秩父で金山事業に着手する一方で、明和8(1771)年には「陶器工夫書」を天草代官に提出。良質の陶土で陶器を作るべしと提案する。安永2(1773)年、秋田藩に招かれ、鉱山再開発に関わる。その仕事の合間に、物産会を手掛けて、老中・田沼意次に励まされたり、油彩で「西洋婦人図」を描いたり、寒暖計を発明したり、滑稽小説「根南志具佐」、「放屁論」、浄瑠璃「神霊矢口の渡」などを執筆。かの「土用丑の日」も鰻屋に源内が貼り紙をしたのが始まりともいわれる。事業家でプロデューサー、学者でアーティストで文筆家。元祖コピーライター。日本のレオナルド・ダヴィンチとも言われる。
しかし、どの事業も成功せず、生活を支えたエレキテルブームも下火になり、源内は世間から「大山師」と陰口を言われる。その最中、人を殺して投獄され、獄中で死す。友人の杉田玄白は源内に「ああ、非常の人…」という言葉をささげている。が、しかし、死んだことにして友人たちが逃がしたとの説もある。「べらぼう」のべらぼうな展開で、早すぎた天才・源内はどう生きて、蔦重に影響を与えるかがみどころになる。 (時代劇研究家・ペリー荻野)
■べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 1月5日にスタートしたNHK大河ドラマ第64作。脚本は「JIN―仁―」(TBS系)や「ごちそうさん」(NHK)を手がけた森下佳子。
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