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天野秀夫 中小型厳選株 不正アクセス検知サービス「カウリス」IPO後初の本格反騰へ 為替動向は注意 第2四半期は前年同期比54%営業増益

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月22日 11時0分

日経平均は過去2番目となる大幅下落から一転、ここまで急ピッチな戻りが展開されてきました。米景気に対する懸念が後退、為替の円高も修正されたことで、過度な悲観の反動高が相場全体の浮上につながりました。

ただ、為替動向については引き続き注意が必要で、不安定な値動きが続く可能性があります。月内は日米の企業決算や経済指標の発表が一巡し、手掛かり難に陥りやすくなるでしょう。こうしたなか、前週に米民主党のハリス大統領候補が初の経済政策を公表しました。薬価引き下げや児童税額控除、住宅建設など物価対策に力点を置いています。米国で住宅関連事業を展開する住友林業や信越化学工業などが注目される期待があります。

東証グロース市場も反転態勢を強めてきました。21日に8月初となる新規上場(IPO)銘柄としてビジネスデータ電子化クラウドサービスのオプロが登場した後は29日に福岡証券取引所Qボードに1銘柄が登場予定ですが、その後はIPOスケジュールが空白期に入ります。こうした局面では、株価調整を進めた直近IPO銘柄の見直しが働きやすくなります。IPO銘柄は上場後最初の決算発表を経て方向性が定まる傾向があります。特に事業内容に独自性、成長性を抱える銘柄は資金を呼び込みやすくなります。

8月13日に今2024年12月期第2四半期決算がサプライズ視された東証グロース上場の「カウリス」(153A)は、IPO後初となる本格反騰相場入りが期待される銘柄です。今年3月28日に公開価格1530円、初値2875円でデビューし、4月に最高値3930円を付けた後は調整を続け、8月5日には1188円まで下落しました。その後、自律反発を経た時価水準は1600円台の値頃感を持っています。

カウリスは法人向けクラウド型不正アクセス検知サービスを展開する企業で、マネー・ロンダリング、サイバーセキュリティー対策を柱としています。米顧客管理情報大手のセールスフォースや、ソニーグループ、関西電力送配電、セブン銀行が大株主に名を連ねています。大手金融機関を顧客に持ち、電力会社との協業サービスでは、金融機関と電力会社の契約データを照らし合わせ、電力契約有無による空き家情報の確認、名義人の整合性を確認し不正な新規口座の開設を発見するビジネスを手掛けています。

今24年12月期業績は売上高13億6000万円(前期比36・7%増)、営業利益4億9000万円(同65・9%増)、経常利益4億6300万円(同57・8%増)、当期利益3億1000万円(同19・4%増)の高変化率見込み。8月13日発表の12月期第2四半期(1~6月)営業利益は前年同期比54・8%増、このうち4~6月期は同69・5%と高い利益の伸び率となっています。キャッシュレス決済の拡大に伴ってサイバー攻撃や不正なマネー・ロンダリング、フィッシング詐欺が増加しており、同社のビジネスチャンスがこの先でも広がる期待が膨らんでいます。

天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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